One's daily life
「俺が無理矢理あいつの処女奪ってからどれだけ経ったと思ってんだよ、もう……数え切れねーぐれぇヤッてる」
「…まじかよ……!」
「あぁ、孕めばいいと思ってっから俺」
な…!な、んだって…?
「……そろそろなんじゃねぇの、きっと」
え…
「――てめぇ、ヒル魔っ!!今の話なんだよっ!」
「聞こえちまったか?」
「どーりで…おかしいと思った!!」
最近熱っぽくて怠かったし…!風邪だと思ったけど心当たりねぇし。
「意識混濁してほとんど記憶が無い俺を犯すなんて…そんなことして楽しかったかっ!!?そんなの…レイプじゃねぇか…最低だ…」
「そうだな」
「…てめっ!」
「………お前があまりにも可愛くねだってくるから…つい、魔が差した。悪ぃ」
「…謝ればいいってわけじゃねっ…!ゔ…っ、」
突然胃からせり上がってきたもので気持ち悪くなって、トイレに直行した。
「―――――――!」
「……………な?」
「……なに…」
「悪阻だろ。やっとだな」
悪阻……
「あんま母体にストレスかけんなよ、1人の身体じゃねぇんだし」
「…てめ、ッ」
「ちゃんと認知する。世話も面倒も見てやる。だから、な…?泣くな」
「…………」
俺泣いてんの?なんで?
「俺のこと好きだろ?ルイ…」
「…………………大っ嫌いだっ!!」
「…あーあ。どうすんの」
「…………………何の問題もねぇよ、」
ヒル魔の黒い翼。見るものを圧倒する強大な迫力。
奇形な俺の白。小さな羽根が天使みてーだってヒル魔は言ったけど。
4月、俺は卵を1つ産んだ。殻は白。中からどんなのが産まれてくるんだろう。
ヒル魔に似てればいい。強い力を持った黒鳥であれば。
「俺はお前似がいいけどなーかわいいだろうし」
温めながらドキドキして、不安で。
ときどき中から音がする。
産まれるのが待ち遠しい。