ksxx5

http://nanos.jp/ksxx5/

年始



ピンポ―――…ン



午前10時、ヒル魔邸。



ピンポ―――…ン



「…勝手に入って来い。鍵ならあっだろ」
「開けてくんね?」
「………………」

焼きが回ったとしか考えられねぇ。
渋々鍵を開ける。

「あけましておめでとうッッ!」

ルイの顔が見えたと同時に言われ。

「今年もよろしくッ!大好き!ヒル魔!」

でドアを閉めてハグ。
&キス。
テメーはどこの外国人だ。

「えっちしよ?」
「は?」
「姫始め!しよーぜ」
「シねぇよ」
「ナンデ???」

コイツ飲んでんだもんよ。
酒臭ぇ。
俺酒が入ってるお前となんかシたくねぇよ?

「……………」

暫く黙ってればスーツを脱ぎ出した。
シュルッ…とネクタイを緩めながらご丁寧にこっちに流し目をくれやがる。

「ひるまぁ…」

甘く呼ぶ声に下半身が疼きそうになる。

「ひるま…」

次に呼んだところで落ちた。
すぅ、すぅ、と寝息が聞こえる。
そんなこったろーと思ったぜ。
大方親父さんたちに付き合ってたんだろ。
仕方無くベッドルームに連れてってやる。

「妖、一…」

布団に入った途端寝言かよ。
普段から呼びゃぁいいものを。
無駄に長ぇスーツをしわにならねぇようにハンガーにかけてシャツのボタンを緩めてやる。
ネクタイも外してやれば気持ち良さそうに寝入った。
…世話が焼ける。


















































あ〜頭痛い。
ここ、は…ヒル魔んち。
のベッド。
ドアを開ければパソコンに向かうヒル魔。
いつものこと。
正月らしくもなく黒い上下。
いつものこと。
違うのは………眼鏡。
初めて見た。
カッコイイ。

「…糞カメレオンめ。酔い冷ましてから来い」
「うん…ごめん。でも早く会いたかったから」
「…糞」
「あけましておめでとう。今年もよろしく」

恭しく言えば。

「おう。《大好き》ってのは言わなくていいのか?」
「カッ!!!?俺そんなこと言った!!!?」
「《妖一大好き!えっちしよ!》って言われたぜ」
「え…シたの…?」

ちょい不安。

「さぁな」
「ぇ、どっち?シたの?シてないの!?」
「………自分の躯に聞けば分かるんじゃね」

それもそうだな。

「………腰は…痛く、ない」
「誘うんだったら素面のときにするんだな。お陰で据え膳喰い損なっちまったじゃねぇか」
「……………カッ…馬鹿野郎……」




RRRRRRR…



突如部屋に鳴り響く呼び出し音。

「―――嫌な予感がする…」
「早く出ろよ。煩ぇ」



ピッ



渋々出れば。

『ルイっ!どこほっつき歩いてる。早く戻って来い!!』



ブツッ



「親父…だった」
「なら早く行け」
「ヒル魔…紹介したらだめ?ヒル魔ンとこにいたって」
「都議の次男坊が付き合ってるのは男だってか」
「……………」
「アチラさんは《良いオトモダチ》だと思ってんだ。思わせときゃいいだろ」
「ヒル魔…ごめん」
「糞!早く行かねーとやべぇんだろ」
「うん………大好きヒル魔。眼鏡カッコイイよ」

素早く口付けて玄関に猛ダッシュしてドアを閉めた。
あぁ、恥ずかしかった。
帰りに御節持ってこう、そう思って歩き出した。





















* * * * * *





















…糞。
可愛いじゃねーか。
やっぱり喰っときゃ良かったかもしんねぇ。





Fin.

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -