ksxx5

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記念日



正直言ってドキドキした。
柄にもなく。
電話が鳴ると緊張して。
なんか部員とかから貰った気がすっけどそれどころじゃなくて。
〜♪
ヒル魔に設定した着メロが鳴り響く。
『泥門10分、タクシー1台』
「…分かった」
『珍しく物分かり良いじゃねーか』
「カッ!!」
どこ走ったか覚えてねぇ。けど毎日走って慣れた路、慣れた動作で泥門まであっという間に着く。
カジノみてーな派手な部室のドアを開ければ足を組んだヒル魔がノーパソを弄ってる。
「…9分35秒。早ぇな」
ちら、っと目線を上げてからノーパソに戻す。
「………」
今。
「………」
―や、やっぱ帰り。
「お前さあ、甘ぇもん食う?」
「へ?」
「糞チョコとか」
「うん…?」
「じゃあ貰ったら嬉しいんだろーな」
………?
それっきり、ヒル魔は特に話すこともなくノーパソを閉じて帰る、と言った。
相変わらずの横乗り。言っても聞かねーから落ちても知らねぇぞって言って。
「…ヒル魔、」
ヒル魔のマンションの前に着いてから呼び止める。
「あ?」
「好き‥なんだ、ヒル魔が…。それで今日‥バレンタイン、だから…っ」
「…あ?」
ラッピングした包みを差し出す。
「……………ゴチソーサマ。さんきゅ」
唇に触れたヒル魔はぺろりと舌舐りして帰ってった。
「・・・・・は…?」
何が起こったのか分かんなくて、手元を見れば、ちゃんとチョコレートは無くて。ヒル魔が持って行ったのは分かった。
じゃあさっきのは―――何?


Fin.

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