お昼を過ぎた十二時五分頃。修行が終わり腹ごしらえに来た神田は、いつも通りに、いつもと同じ場所で、いつもと同じ蕎麦を頼んで食べていた。
暫く蕎麦を食ってると、「お隣失礼しますね、神田さん」と言って科学班の女が俺の横に座る。希望だ。最初は鬱陶しいと思ってたが、こいつとは話しも合うし気も合う。それに………。だからこいつが俺の横に座る事はもう当たり前になっていた。
「お前も、今日は蕎麦なのか」
「はい!今日は神田さんになってみようかと思いまして!」
言い忘れてたが、こいつは重度の天然だ。よくこんなんで科学班の仕事が勤まるのかと思うが、仕事の腕は確かだとか。
「遂に頭やられたか?」
「違いますよー!蕎麦を食べれば、もっと神田さんのこと知れると思って!」
それに頭はやられてないですよー!!こう見えてきっと神田さんよりは良いですよ〜、と怒りながらも照れたように笑う。
(こいつ、俺の気も知らねぇで…//)
「大体、俺の事なんか知って何になんだよ」
きっとこいつはモヤシか馬鹿兎の事が好きだ。そんなこと考えたくないが、日常生活を見てれば勝手に頭が思っちまう。あいつらと話してる時の方が、あいつも楽しそうだし。そのせいで、ついムキになっちまった。
「そ、それは…」
「あぁ」
「あの、その…笑わないで聞いてくれますか…?」
「あぁ、約束する」
「その…
好きな人の事は何だって知りたいじゃないですか…」
天然少女と蕎麦少年
(お、俺もだ…)(へっ!?)
(俺もお前が好きだっつってんだよ!)