「あら、おはようアレン君」

「あ、おはようございます」

「早いわね〜…まだ朝の四時よ?」

「ちょっと修行しようかと…貴女こそ早起きなんですね」

「ん〜…その逆、かな?」

「え、もしかして徹夜ですか!?」

「ピンポーン大当たり」

「はぁ…あまり、無理はしないで下さいね」

「ありがとう。アレンもね」



ふふっ、じゃあまた。そう言って優しく笑う彼女は、僕とは逆方向の医務室へと歩いて行く。こんな他愛もない会話でも、僕にとっては……。



スラッとした細い体に色白な肌、それと肩より上くらいの長さの綺麗な黒い髪。気づくとそんな彼女の後ろ姿をついつい目で追っていた。



「はあぁぁぁ…………」

「ど、どうしたんさアレン」

「あ、いえ、すいません。何でも無いです」

「そんな今にも消えそうな溜め息ついといて、何にもないって…」



時は変わりお昼時の食堂。不本意ながら僕はラビに相談に乗って貰っていた。こんなこと本人に言ったらまた煩くなるので不本意ってのは秘密ですが。



「新しい医務のお姉さんだろ」

「っ───!!ごほっごほっ!!」

「図星かぁ!アレン惚れてんのか?」

「なっ、何言ってるんですかラビ!そんな訳…」

「じゃあ、良いこと教えてやるさぁ」

「……?」




ちょっと耳貸すさぁアレン。そう言ってニヤニヤと笑うラビに、僕は渋々と耳を傾け、思いがけない事を聞くことになった。









「すいません、ちょっと行ってきます!」


「おーう!頑張れよ〜!」











(彼女がアレンのこと話す時の顔)
(まるで恋する女の子だったさ)





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