『デントのケーキ、いつ食べても美味しー…』



久々に食べるデントお手製のケーキ。私が食べたいと我侭を言ったら直ぐに作ってくれたのだ。

ちなみに作ってくれたのはミルフィーユ。香ばしいパイ生地とパイ生地の間に挟まれたカスタードベースの甘いクリームが堪らなく美味しい。

ミルフィーユを夢中で食べているとデントの手が"スッ…"と口許に伸びてきた。



「ナマエ、口許に付いてるよ」



そう言ってデントは私の口許に付いたクリームを指先で掬い取ると、その指先を"ペロリ"と舐めた。



『デ、デント…！』

「ん？どうかした？」



何事もなかったかのように返事をするデントに思わず言葉を失う。更には"何でこんなに手馴れてるんだろう"と思ってしまった。



『な、何でもない…』



小声で返事を返せば、再びミルフィーユをフォークで突き口へと運んだ。



…――嗚呼、やっぱり美味しい。



フォークを口に咥えたまま、デントの方へ"チラリ"と視線を向けてみると……何かニコニコ笑ってるし…。



（その笑顔、私からしてみれば反則なんだよなぁ…）





--END--


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