『や、ぁ…ノボリ、そこばっかり…!』
「そこばっかりって、此処がイイんでしょう?」
『ちが…ァアッ!』
「ほら、ナマエの一番気持ち良いところですよ」
ノボリは私の事なら全部知ってる。特に私の身体については私以上に。
今日だって"私不足"なんて言いながら私の事ばかりを満たそうとしてくるし…本当に私不足なのか疑いたくなってしまう。
そんな中で、今もこうやってノボリに弄ばれているわけで…。かと言って嫌という訳ではないのだ。寧ろ、好き。
『は、ぅ…ン…ノ、ボリ…』
「何ですか?」
『あんまり…意地悪しない、で…』
「意地悪させているのは誰のせいしょうねぇ…?」
『そんな、の…知らな…ひあッ!』
私が少しでも反抗的な態度を示せば、ノボリは意地悪く私の弱い部分を刺激してくる。またそれが堪らなく気持ち良い。
だけど、気持ち良いなんて正直な事を本人に言えるはずもなく…ただ、こうやってノボリから与えられる刺激に溺れるしかないのだ。
「相変わらず、ですね…」
『んぅ…何、が…?』
「そんなに私を意地悪な男にさせたいんですか?」
『え――…ひゃぁあッ!?』
突如、私の中に挿入って来たノボリ。あまりにも突然過ぎた為に私の背中は反り返ってしまう。
『あ、ゃ…!ノボ、リ…ッ!』
「ハッ…ナマエ、綺麗ですよ…ッ」
『ンン、そんなに…激しく、しないで…!ぁ、ン…ッ』
…――私を激しくさせているのはナマエ自身。私自身ではないのです。ナマエの見せる様々な表情、声、そして姿…ナマエの全てが私を狂わせる。
このような事をナマエに伝えたとしても、ナマエには一生伝わらないのは分かっています。だからこそ、こうやって身体を重ね、身をもって覚えて貰う…。
「ナマエ、だけ…ですよ…ッ」
『ンァ…な、に…ァア!』
「私を…こんな風にさせた、のは…クッ、もう出しますよ――…ッ!」
『ひゃ…!ゃ、待っ…ァアア――…ッ!』
もう、どれくらいナマエの中に己の欲を吐き出しただろうか…正直、どれくらいか覚えていない。けれども、ナマエは行為が終わった後も嫌な顔なんてせず、幸せそうな笑顔を私に向けてくるのだ。
狂 っ た 愛 情
(だから、止められないんですよ。ナマエの普段とは違う淫らな笑顔が見たいが為に――…)
--END--
← back