『あッ、や…ダメ、ノボリさ…!』
「ダメではないでしょう?」
『んん、む…り…ッ』
ゾクゾクと背筋が痺れるような感覚。身体全身が快楽に溺れている。毎晩、繰り返されるこの行為。恋人同士とは言えど、もう何日目だろうか。
『はぅ、ァ…手、も、やぁ…ッ』
くちゅり、と室内に何度も響き渡る水音。ナマエから溢れ出る愛液は止まる事を知らず、溢れ続けている。
「イッても良いのですよ、ナマエ」
『や、ァ…!』
ノボリの言葉と同時に蜜部を掻き回す指先の動きが速まる。一番感じるその場所を狙って刺激を与え続けるノボリ。
『…――ふぁぁあッ、』
ビクン、と宙に跳ね上がる細い腰。絶頂を迎えた蜜部はヒクヒクと痙攣していた。
真っ白なシーツの上にぐったりと横たわり、乱れた呼吸を繰り返すナマエの頬にそっと口付けを落とすノボリ。
「その表情、堪りませんね」
『はぁ、はぁ…ッ』
「全て私のモノですよ、ナマエ」
『ノ、ボリ…さ…』
重い瞼をゆっくりと開けば、此方を覗き込むように見つめているノボリの姿。その表情は薄い微笑みを浮かべている。
「その瞳も、唇も、声も、全て私のモノ…誰にも渡しません」
そう言いながら、ナマエの腰に手を回せばノボリの身体に凭れ掛かる様な体勢で抱き締めた。
『ノボリ、さん…私にはノボリさんだけだから…』
「…毎晩、この様な事をされ続けていてもですか?」
『だって、こうやって抱いてくれるのは愛してくれてるから…でしょう?』
「ナマエ…、」
ゆっくりと腕を持ち上げ、ノボリの首に手を回すナマエ。胸元に耳を当てれば、普段よりも速い鼓動が聴こえてくる。
『こうやってドキドキしてるのも、愛してくれてるから…?』
「…左様でございます。ナマエが愛し過ぎて、いつかこの心臓が壊れてしまうのでないかと思うくらいに」
『嬉しいです…』
少し震えているノボリの唇に自らの唇を寄せる。触れるだけの短い口付け。
『大好きです、ノボリさん…』
「私もでございます、ナマエ」
愛を確認し合えば、再び重なり合う唇。今度は深淵の如く深く――…。
愛 し さ 故 に
(…――愛して止まない、)
--END--
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