…――愛している、と。

ケフカ様が私を愛していると、そう言ってくれた。

嬉しいなんて、そんな言葉では表現できないくらいに胸が踊ってしまった。私だって――…



『わ、私も…ケフカ様を愛しています…』





師 と 私 と 





肌と肌が何度も打つかり合う音が室内に響く。その度にギシギシと軋む寝台。互いに愛を伝え合いながらも続く行為。



『はァ…あ、ンン…ッ!』

「クッ、あんまり締め付けるのは良して、欲しいものです、ね…ッ」

『そ、んな…締め付けたり、なんて…ふぁッ、』



処女とは言えど、想像以上に狭いナマエの膣内が更に縮小すれば、更に余裕のない表情で少しだけ息を荒くするケフカ。薄っすらと汗が滲んでいる。



『ケ、フカ様…わた、し…また変、に…ッ!』



再びナマエに襲いかかる快楽の予兆。



「ヒッヒッ、良いですよ…おイキなさい…ッ、私もそろそろ限界ですからね、」



ナマエと同様に限界が近かったケフカは打ち付ける腰の律動を速めた。



『ふぁッ!アッ、ゃ…あぁ!』

「ッ、イキます、よ…!」



ケフカの声の同時に注がれる白濁。ドクドクとケフカ自身が脈打っているのが感じられた。ナマエも同じタイミングで絶頂を迎え、そのまま脱力してしまっていた。気を抜けば意識が飛んでしまいそうになるくらいに。


『は、ァ…はぁ…ッ』

「ナマエ…、」

『は、い…』



未だ繋がったままの二人。ケフカはそのままナマエに覆い被さるようにナマエを抱き締めた。



「ワタシの可愛いナマエ…、」

『ケフカ、様…?』

「例え、死んだとしても離しませんよ」



…――嗚呼、自分は何て幸せ者なんだろう。



ナマエはケフカの腕の中で幸せを噛み締めた。師だった彼が今では愛の対象なのだから。心の片隅でそうなれば良いなと望んでいた事が叶ってしまったのだから。



『ケフカ様…愛して、おります…』



直ぐ傍にあるケフカの独特な尖った耳。それに向けて再び愛を紡ぐナマエ。ケフカの温もりを感じながら目を閉じれば、そのまま眠りに落ちてしまった。





―――――……


―――……


―…




『…――師匠!見て下さい、火が出ました』

「それはまた小さな火ですねぇ、今にも消えてしまいそうじゃないの」



ナマエは眠りの淵で夢を見ていた。ケフカに弟子入りしてから未だ間もない頃の記憶に近い夢。魔法を使う為の訓練。小さな炎がナマエの掌で揺らいでいる。


「そんなんじゃ紙すら燃え尽きる前に消えてしまいますよ。ほらもっと魔力の流れに集中してみなさい」


何度も何度も駄目出しされ、少しずつだが魔力の流れという物を感じるようになったナマエ。数年掛けて身に付けたスキルは手持ちの指では数えきれない程にまで増えた。いつか、この魔法が師であるケフカの役に立てばと必死で修行を重ねてきたのだ。


『もし師匠がお怪我をされたら私が治しますからね。でも、本当は怪我なんてして欲しいくないですけど』

「それはそれは、良いヒーラーに恵まれたものですねぇ。出番の無いぼくちんの専属ヒーラーってところですか」

『え、出番無いとか言わないで下さい…』

「だって、ぼくちん無敵だし」

『知ってます。ケフカ様はとってもお強いですから』


その通り、ケフカはとても強く周囲の人間達はケフカを恐れていた。恐れられているのは強さだけでなく、ケフカの惨虐さ、非道さ、破壊を心から愉しむ姿…――味方だろうが敵だろうが良く思う人間は多くない。


心からケフカを信頼しているのは、この世で唯一ひとりだけ――…。



――――――…


―――…


――…




「…――ナマエ、起きなさい」



名を呼ばれ、重い瞼を開くナマエ。霞んだ視界に捉えたのは今は愛しき師でもあるケフカ。



『…ケフカ、様』

「疲れて眠ってしまっていたんですよ」

『あ…ごめん、なさい…今起きますから――…ッ!』



起き上がろうと上体を起こそうとするとズシッ、と鈍い痛みが腰に走った。同時に痛みの走った腰に手を当て、顔を顰めるナマエ。



『こ、腰が…』

「おやおや、大丈夫ですか?ちょっと激しくし過ぎちゃった?」



ヒョッヒョッ、と普段通り笑いながら茶化してくるケフカ。そんな彼に抱かれた事を思い出せば、羞恥が込み上げてくる。ナマエは顔を隠す様に俯いた。



「ほんっと可愛いですねぇ」

『い、言わないで下さい…』

「可愛いんだから仕方ないでしょ。それよりも、腰の痛みはどうしますか?治してあげよーか?」


ケフカが指先をクネクネと動かしながら問い掛ける。魔法を使う前の彼が見せる、所謂癖の様な動きだ。ナマエはそっと手を伸ばせば、動くケフカの手を軽く握った。



『大丈夫です。この痛みはケフカ様からの贈り物ですから、消してしまうのは勿体無いです』



俯かせていた顔を上げれば、まだ恥ずかしさが残る表情で答えるナマエ。思ってもいなかった返事にケフカは再びゾクゾクと胸を踊らせてしまった。



「ナマエちゃーん、そんなにぼくちんにメチャクチャにされたいの?」

『え…?』

「自覚ナーシ。いやぁ、怖い怖い。いつか、ぼくちんのハートが破壊されちゃうんじゃないのコレ」

『え、ええ…?』



ケフカの言葉に訳が分からない様子のナマエ。そんなナマエを抱き寄せれば、自分よりも温かい体温が肌を伝う。その温もりに包まれながら、ケフカは再び愛を囁いたのだった。






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