そうか、僕はナマエさんに恋をしてしまったのか…。通りでナマエさんの傍にポッドが居ると胸がモヤモヤするわけだ。



…――つまりは醜い嫉妬。可愛く言えばヤキモチ。



まさか、この僕が恋をするなんてね…。だけど、ナマエさんに気付かれる訳にはいかない。



(ナマエさんの前だけでも平常を保っていなければ…)











「よーし、終わったー!」

『何とか今日中に終わりましたね!ポッド君のお陰です』

「おう!でも、俺の部屋に寝れなくなったのは残念だけどなー」

『・・・!』



特に深い意味等はな無いポッドの言葉に顔を真っ赤にするナマエ。ポッドは茹蛸の様に真っ赤になるナマエの額へ"コツン"と自身の額をくっ付けた。その所為か、ナマエの顔が更に真っ赤に染まる。



『わ、わわ…ッ!』

「うわ、何かバオップ並みに赤ェな…」



(ち、ちちち…近いッ!ポッド君の顔が近いよー!!)



「ま、熱は無ェみたいだし大丈夫か」



ポッドはヘラヘラと笑いながら、くっ付けていた額を離した。それでもナマエの顔は未だに真っ赤だ。



「ナマエちゃん、疲れただろ?」

『え、いえ…疲れたって程までじゃ…』

「強がンなって、疲れた顔してんぜ?部屋も片付いた事だし、今日はゆっくり休めよな?」

『うん…有難う、そうさせて貰います』

「おう!じゃ、俺は戻るぜ。ついでに掃除道具も片付けとくからよ」



掃除道具を両手に持ち、ナマエの部屋を後にするポッド。ナマエは部屋から出て行くポッドの背中に向かって小さく御辞儀をした。



(ポッド君って、本当に優しい人なんだなぁ…)








…―――コンコン





ポッドが部屋を出てから間もなくして部屋の扉をノックする音が聞こえた。



『は、はーい』

「ナマエさん、デントだけど…」

『デントさん…?』



部屋の扉をゆっくり開くと、扉の前には確かにデントの姿があった。心なしか、少し元気がないように見える。



『どうかされたんですか…?』

「あ、いや…ポッドが掃除道具を片付けてたから掃除終わったのかなと思って」

『はい!ポッド君のお陰で何とか今日中に終わりました。あ、廊下寒いですよね?良かったら、中に入りませんか…?』




部屋に居れてくれるというナマエの言葉にデントは柔らかい微笑みと同時に小さく頷いた。





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