庵カヲとおふとん





「はあ…家に居ても寒くなってきたね〜」
「もう11月だからね。毛布出そうか。」
「あ、ありがとう」
「ふふ、どういたしまして。」

カヲルはそう言ってクローゼットの上の方にしまってあった毛布を降ろしてくれた。

「もー寝てる時も足先とか冷たくて…」
「じゃあ一緒に寝るかい?」
「え」
「ね、そうしよう。」
「え、え、でも、」
「さ、おいで。僕があたためてあげるよ。」
「………………………」

カヲルがベッドに横たわったその隣をポンポンと叩いてくる。
カヲルって優しいけど、なんとなく有無を言わさないというか、なんでなんだろう。
カヲルに言われると従ってしまう。

「…………じ、じゃあ失礼して…」
「もっとくっついていいんだよ。足が冷たいね。」

カヲルの足に私の足が触れる。カヲルの足あったかい〜〜と言われたとおりもっとくっつこうとして我に返る。

「わ、わ、冷たいよ、やめなよ。カヲルが冷たくなっちゃう。」
「どうしてだい?君をあっためるために僕はあたたかいんだから、大丈夫だよ。何も心配することはないさ。」
「え、え〜…うん……」
「ふふ、……段々君もあたたかくなってきたね。」
「おかげさまで………」
「可愛いね。」

カヲルはくすっと笑うと私の頬を撫でた。
あたたかくて心地よすぎて、瞼が重くなってきた。

「君とのこんな時がずっと続けばいいのに…」

カヲルがぼそりと呟いた。
私も、と返事をしたかったけど眠りに落ちる寸前でちゃんとカヲルに伝わったかはわからなかった。
優しい眼差しとぬくもりを感じて私は眠った。









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