「も、大丈夫。触らなくていいから、ん、こんなのほっとけば収まる、っ」

「強がるなよ。誰だって性欲くらいあるんだから気にすんなって」

「ち、違う!これは、その…とにかく大丈夫だからあっち行ってくれ!」

「はあ、勇者…あなたのそういう妙に強情なところ、私は好きですよ」

賢者は一瞬だけその瞳に熱をたぎらせると、即座に元の柔和な表情に戻る。そして俺の脚を持ち上げ、胸に膝が付きそうなくらい折り曲げると露わになった俺の窄まりにいきなり舌を埋め込んだ。

「ひっー!!あっ賢者…!何ッやめ、汚いから、そこはぁ、はぁあ、」

嘘だ、賢者が俺のっ、こんなのダメだ!!

俺は目の前で起こっている信じられない光景に瞬きすら忘れ、そして自分の意思では動かない身体をばたつかせて必死に抵抗した。
しかし、にゅるにゅると賢者の舌が俺のアナルの縁を舐め、中にぐっと押し入る度にぞわぞわとした快感と、もっと奥まで来てほしいという欲望に脳を支配されそうになる。

「は、ぁ、賢っだめ、んん゛、お願いやめてッ」

「れも、ひもちいいれしょう?」

「あ゛ーっ!喋んないでっも、やだ、ぅう、グス、っん゛」

じゅるじゅるとアナルを吸われ、入り口を舌がちゅぷちゅぷと出入りする。俺は何とか屈服しまいと歯を食いしばるも力を入れたせいでアナルを締めてしまい、よりはっきりと賢者の舌を感じてしまう。

「あー賢者ばっかりずりぃ。じゃあ俺はこっち」

そういうと武闘家は俺の胸の上にシックスナインのような格好で座ると、再び勃ち上がった俺のペニスを銜えた。

「あ゛!あ゛!そんな、ヒィっ、おか、っおかしくなッ!はひ、い゛ぃい!」

武闘家にペニスを喉の奥まで銜え込まれ、舌で裏筋をべろべろ舐められる。賢者には身体がざわつくタッチで太股をまさぐられ、アナルを舌で蕩かされていく。気が狂わんばかりの快楽に俺はガクガクと身体を震わせながら悶えた。

「まだまだこれからですよ。奥が疼いて仕方ないでしょう?」

「やだ!い゛ぁあっもっ、も゛ぉっむりぃ…!はあ゛ぁ!」

「うーん。じゃあ今から言う事をちゃんと聞けたらやめてあげます」

「聞くッ、きくぅッ何でもするからぁ…!あ゛ッ吸っちゃ…っぅあんッ」

ぜえぜえ言いながらも懸命に賢者と会話しようとする俺を気にかけようともせず、武闘家はペニスをじゅるるる、と吸い上げる。

「今から私が言う事を復唱できたら今日はこれでおしまいです」

「わか、わかったからぶと、あっあ゛っ吸うな…ッ!出ちゃ、も、やだイ、ぐぁッ!イク、出るぅッッ!」

もうイく。そう思った瞬間、武闘家の口淫が止まりペニスの根本をきつく握りしめられる。行き場を失い解放を求めて身体中を駆け回る射精への欲求にもう出すこと以外なにも考えられなくなる。

「は、え、え゛?あああ゛!嫌だ!なんれっう゛ぅう、出したいっ出したッやめちゃッ」

「やめてと言ったりやめないでと言ったりあなたは本当に可愛い人だ」

「ほら、勇者。賢者の言うこと聞けたらイかせてやるよ」

出したい出したい出したい!
俺はぼろぼろ涙を零しながら武闘家の言葉に何度も頷いて見せた。やめてほしくて言うことを聞くのか射精させてほしくて言うことを聞くのか、頭が溶けきった俺にはわからなかった。
賢者に舌の代わりに指の腹でアナルの縁をゆるゆると擦られ、俺は堪らなくなって腰を揺らした。

「そうですねぇ…では、勇者。勇者のはしたないお尻に指入れてぐりぐりしてっておねだりしてください」

「う゛ぅう…何それぇ、ゆ、ゆうしゃのっ、はし、ん゛、ないッ、お尻、指ぐりぐりってしてぇ…!も゛、イきたいッおねが、はやくッ」

真っ赤な顔で腰を振りたくり懇願する俺はさぞや情けない姿だっただろう。二人が黙って俺を見下ろしているのも、俺の淫らな姿に呆れかえっているからに違いない。こんなに情けなくてどうしようもないダメ勇者を信頼して付いてきてくれているというのに、俺は二人の期待を裏切ってばかりだ。
あんまりにも悲しくなって、それなのに射精したい自分が情けなくて鼻水を垂らしながらひぐひぐ泣いていると賢者と武闘家に抱きすくめられる。

「勇者、お前ほんっとエロくて可愛いな!」
「お望み通り、すぐにイかせてあげますからね」

舐められ続けたせいで唾液でぬるぬるするアナルに賢者のほっそりとした綺麗な指が一本、武闘家の節の目立つ無骨な指が一本あてがわれる。

「あ、あ、あ…!」

ずぶずぶと内側に進入される異物感と待ち望んだ刺激に背筋が戦慄いた。

「すげぇ、ケツん中ドロドロ」

二人の指がそれぞれ内壁を擦るように出入りし、その快感に思わず溜息を漏らす。しかしペニスへの刺激がなくなった今、達する程の快感が得られずもどかしさに余計尻が疼く。

「ね、も゛っ出したいッきついッ!ふ、う゛んん、」

「では勇者のイイところを見つけましょうね」

柔らかく微笑んだ賢者はアナルに挿入していた指を二本に増やすと、腹側の肉壁を指の腹で掻くように刺激し始める。丁度指の第二関節を曲げるように動かされると、雷に打たれたような強烈な快感が背骨を通って全身に広がった。

「ぉ゛ッ…あ゛!あ゛!なに、ん゛あッやめ、」

「あー、いいな。俺も勇者の前立腺ごりごりしたい」

「ふぎッちょ、指ぃッ増やさ…で、え!あ゛っあっ」

武闘家も指を二本に増やし、賢者の指と交互に前立腺を抉る。叩きつけるような快感に口から涎が垂れるのも厭わず俺は目を剥いて喘いだ。
これまで自慰をする事はあっても叫ぶ程の快楽を得た事はなく、それどころか尻を性的なものとして扱った事すらない。俺の身体は本当におかしくなってしまったのだと、過ぎる快楽の中どこか他人事のようにぼんやり考えた。

「はひ、も゛!ごりごりって、ぅあ゛っひッ!イク、な゛んかクる…ッッ!」

「ふふ、沢山ごりごりしてあげますからね」

「あ゛ーッあ゛ーッ!イ、ぐ、い゛ぃーーーっっっ!!!!!」

四本の指で前立腺を擦られ、ペニスに触っていないにも関わらず経験したことのない強い快感に包まれる。身体の中で渦巻いていた射精への欲求が爆発し、俺はびゅくびゅくと精液を鈴口から溢れさせながら全身を痙攣させた。

「はあ、はあ、ふ…は、え?待、もうやだっぁッヒッ」

これでやっとこの悪夢からも解放される。まだ蕩けた頭で漫然とそう考えていると、未だ中に挿れたままの二人の指がぐりっと敏感になった前立腺を抉り、身体が大袈裟に跳ねる。射精した事によって少しは冷静になれるかと思いきや、再び前立腺を刺激された事で俺の身体はいとも簡単に熱を持った。

こんなのおかしい。イったはずなのに収まらない。奥がむずむずする。

口では嫌だと言いながらも、アナルでの快楽を自覚した事で俺の浅ましい肉体はさらなる刺激を求めて疼き始めていた。しかし、仲間に奥まで掻いてくださいなんてはしたない要求ができるはずもない。

「ああ、勇者。何て顔をしているんです」
「ほしくて堪らないって顔だな。素直に強請ればいいのに」

涙に滲む視界の中、賢者と武闘家は駄々をこねる幼子を見るような優しい笑顔だった。俺が何を望んでいるのか、二人はきっとわかっている。
しかし、俺はこれでも勇者なのだ。勇者が自らもっと奥を弄ってくださいなんて言ってはならない。すでに勇者失格かもしれないが、少なくとも俺の憧れるような勇者像は己の欲望に屈服するような弱い男ではないのだ。
ここにきて妙な意地を張ってしまい固く目を瞑りぐっと黙り込む俺を、二人は楽しそうな顔で見つめている。その時だった。

「あ゛!何やってんだよ抜け駆けすんなエロ賢者!」

「ーーーひぎッ、い゛、痛、なにッ?あっいやだっぁ!」

武闘家が大声を出したのと同時に、指とは比べものにならない太く熱い何かがアナルの入り口をこじ開けた。思わず目を開き己の下半身に目をやると、清廉そのものといった顔立ちとは真逆の大きく凶悪な賢者のペニスがカリ首までアナルに突き立てられていた。

「あ゛ああ!やだ、何で、抜いてッ抜けよぉ!嫌だ、う゛っふ、ぅ…!」

「勇者、泣かないで。あなたが強情だからいけないんですよ?本当はこうしてほしいくせに。」

「ほ、ほしくないっ!っひ!あ゛、やめ、動くなっは、ぁ…!」

こんなのあんまりだ。酷すぎる。思い切り賢者を非難したいのに、抜けるか抜けないかというギリギリのところでぬぷぬぷと亀頭を出し入れされると身体の疼きが酷くなる。
ダメだ、このままじゃまた何も考えられなくなって流されてしまう。ああ、でもこの太いので奥まで突かれたらどれほど気持ちいいんだろう。
ちゅぷちゅぷと濡れた音を響かせて賢者がアナルの入り口を犯す度に、切ない波が下半身に広がる。
俺の中で理性と欲望がせめぎ合い、戦っているのが傍目から見てもわかるのか、武闘家がにやにやしながら俺のペニスと乳首を同時に弄び始めた。

「は、は、あ゛、も゛、触、ん゛んんッ!それ、やめぇッ、ひ、」

アナルの入り口を擦られ、乳首とペニスを弄られたせいで俺の頭が徐々に快楽に浸っていく。早く奥まで突いてほしくて蠢く腸壁を無視して、浅いところだけを刺激してくるのがもどかしくて堪らない。
気持ちいいのだろうか、いつもの柔和な表情を崩し僅かに眉を寄せる賢者に色気を感じ、嫌で仕方がないはずの俺の心が乱される。

「ね、勇者。一言でいいんです。挿れてって可愛く言えたら今すぐ奥まで突いてあげますよ?」

「ふぅう、やだ、ッひぎゃ!あ゛ああ゛やめ゛てぇ!」

嫌だ、と言った瞬間、武闘家にペニスを銜えられきつく吸われる。俺が強情を張って嫌だと言う度にじゅるじゅる吸い上げられるものだから、堪らなくなった俺はついに自棄をおこして泣きながら懇願した。

「わ゛、わかった、挿れてッおしり゛、奥突いてッ、わ゛かったから吸わないで、ッ!」

「…よくできました」

「あ゛ーーーッッ!!あ゛!ま゛っ出ッッあ゛あ!!」

力強く最奥めがけて硬い熱で体内を割られ、あまりの衝撃と待ち望んだ快感に俺は精液を飛ばしていた。急に達したことでガクガクと痙攣し、仰け反る俺を無視してガツガツと腰を打ち付ける賢者に思わず悲鳴をあげる。
もう何がなんだかわからない。ペニスが肉壁を擦り上げ、抉る度に延々と射精しているような感覚に襲われていた。

「お゛ッあ゛っだっめ、ん゛ぐぁ…!ッあ゛ー!あ゛ー!」

「あーあ、触手はなしにするとして勇者の処女、賢者に取られるとはなぁ」

「は、こういうのは偉い順ですからね」

「俺より階級が一つ上ってだけのくせに。まあいいや、俺はお口の処女もらおっと。…なあ勇者!こういう急な生理現象って精液飲むと早く治るらしいぜ!俺がお前のために協力してやるよ!」

「な゛ッに、ふぐぅ!ん゛、む、ぐぅう…!」

底抜けに明るい武闘家の声が聞こえたかと思うと、拘束の呪文で動けないのを良いことに、賢者のものが入ったままの俺の身体はぐるりとひっくり返されて四つん這いになる。目の前に武闘家のグロテスクささえ感じる巨大なペニスが現れた瞬間、口に猛ったそれを突き入れられた。

「っあー勇者の口狭い。しゃぶり顔エロい…!」

「ん゛ッん゛ッぶ、ぅ、んぐ、ふうう!」

苦しい。前からも後ろからも犯されて、大きすぎるペニスを銜えているせいで酸欠になりそうだ。その上、前立腺を硬く太いペニスでごりごりされる快感に俺の意識は飛びかけていた。涙と鼻水と涎とでぐちゃぐちゃになった顔を武闘家が優しく撫でてくれる。

「なあ、勇者が今すげー顔してるぞ。白目剥いてる」

「この体勢だと私からは顔が見えないのが残念ですねぇ」

「うっぁ、喉が痙攣してやべぇ…!はあ、早めに目ぇつけて勇者にさせといて良かったな。ここまでイイとは思わなかった。お前の薬のお陰だな」

「こんな副作用は想定外でしたけどね」

「ん゛、ぐ!お゛、ふぐ、ん゛ん、ふッう゛っっ!!」


ばちゅばちゅと肌と肌がぶつかる音が遠くに聞こえる。二人が何か言っているけれど、もう理解できない。口の中が生臭くて塩辛い。苦しい。身体が震える。気持ちいい。もうよくわからない。ただ気持ちいい。俺って何をしてたんだっけ?ああ、そうだ。俺は勇者だった。

賢者、武闘家。こんな淫らな勇者でがっかりしてるだろうなぁ…。

俺は体中に広がる射精の快楽に浸りながら、そっと意識を手放した。



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