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真夜中の夢

 ――私の事は、愛さなくていいから。

 忘れたと思っていた。
 『彼女』は、彼女であって彼女ではない。俗世から切り離された、本当の、……隠してしまった、閉じ込めてしまった彼女の心。

 メラルド・ペルフェットという、一人の男だけが知る、一つだけの真実。

 ――どうか、私など忘れてください。

 表向きの、虚飾の笑顔すら浮かべない、空っぽの、能面のような顔で、ただ、意思だけを伝える乾いた唇。

 お前の所為だ、と暗に言われているような気がして。吐き気と共に水を飲み下した。

(メラルド・ペルフェット)

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