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青藍/星月夜/響きわたる

 星々の煌めきがよく見える夜だった。薄く、ヴェールを張ったような空は、生臭い匂いに似つかわしくなく、それはそれは美しかった。

「気が滅入りそうだなぁ」

 ガチャガチャの手元の銃を弄りながら、嘆息を零す。
 こんなに美しい夜なのだ。たまには仕事なんて放り出して、部屋でカーテンと窓を全開にして、酒とつまみ片手にお月見……なんてのも、悪くない。なんて、割と思う。

「──っとぉ、」

 背後から襲い来る敵に、銃弾をぶち込む。
 パァン、と口で言いながら、転がったそれを蹴った。

「ほんとに、空気読めよな」

 金髪が夜風に靡く。響き渡る銃声は、その夜のうちに止む事は、なく。



 //和の色彩パレットお題

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