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分かち合う温度

 雨に降られるとは思わなかった。
 小さなくしゃみが、静寂に響き渡る。

「オイ、大丈夫か」
「はひ……」

 くしゅん、くしゅん、と続けざまに二回。

「ったく、……おら」
「きゃ! ア、アル!?」

 体温は高い方である。こうしてりゃ、少しはあったけぇだろ。
 その程度の、つもりで。

「あ、あの、アルが、冷えちゃいますよ?」
「お前が風邪引くよかマシだろ」

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