酔う
「ふじのあねさま?」「ふじのあねさま?」
不安げな弟たちの声。
「済まないな。少し、上の人たちと飲み過ぎてしまってね」
酒臭いからよらん方がいい、と言い足して、目を伏せる。
「あねさまとねます」「いっしょにねます」
綺麗に重なった声に、言葉に。
口元は不思議と、弧を描いて。
「……ああ、おいで。今日は、あねさまとねような」
まるで子犬のように擦り寄る弟たちの手を握り、紅藤はそっと、微笑んだ。
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