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掠める吐息

 架リヤ、と喘ぐような声が耳朶に響く。それには答えず、耳たぶを甘噛みした。熱い息が漏れ、小さな嬌声に思わず笑む。

「いじわる」

 呟きには、キスで答えて。

「ゆるしてよ」
「……いいよ」

 彼女が僕に甘いのは知っている。
 彼女も僕が甘いのは知っている。

 熱い吐息が頬を掠め、今日もまた、混ざり合う。

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