死神のワルツ
「安らかな眠りを」
それが、ボクらの決まり文句。
肉体との繋がりを断ち、魂を輪廻転生の環に乗せる。上からくだされた指令にただ、従うだけの存在。それが、ボクら《死神》だ。──だから、あの魂喰いが煩わしくて仕方がない。乗せるべき魂が無い。ただの肉塊だけ渡されて、ほとほと困っているのだ。
ノルマなどというものは無いけれど、奴の所業は赦されていいものじゃない。──裁かれるべき、悪の御業だ。だから、ボクは、あいつが、大嫌いで。
鎌を躍らせ、今日もボクは島喰未珠を追い掛ける。
無意味で無価値な、死神のワルツを。
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