short | ナノ

いとしいひとは、ばかなひと

 何時だって傍にいるのに、気付かない。支えているなんて自負は、ある。放っておいたら、そのまま死んでしまいそうな気がして、仕方ないから寄り添ってやる。

 猫に魂を移し替えてまで、俺を留めようとしてくれたんだろう? それだけお前の心に俺が深く根付いていたのなら、猫もいいと思えた。

 お前を抱きしめることは出来ないけど、ぬくもりを分ける事は出来る。話を聞くこともできる。いつだってどんな時だって傍にいれる。

「チヴェッタ、」

 ──お前は何時、お前の傍に確かにお前を想う奴がいる事に、気付く?

top
「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -