俺は少しでも何かしてやることが出来たのだろうか。ただ傍に居ることだけしか出来なかったのだが、レムレスは明るい笑顔を見せてくれた。今までのように無理した感じではなく、なんて言うかその、自然に。俺がクリスマスにあげたものはまだ開けていないらしい。楽しみはとっておきたいんだと。まあレムレスらしいと言ったらそうなのだが。
俺はおもむろに取り出した自分のiPodのイヤホンをレムレスの耳に突っ込んだ。流したのは、俺たちが好きなアーティストの、ずいぶん昔に出したカップリング曲。レムレスの表情が変わったから歌詞が流れ始めたのだろう。ベッドに肘を付けて眺めていたら、片方のイヤホンを耳に押し付けられた。驚いたが、黙って入れ直す。


「この曲さ、僕たちみたいだよね」

「……お前もそう思うか?」

「うん……ありがとう、頑張る」

「お前は充分頑張ってるよ。だから頑張りすぎるな」


ベッドに座っているレムレスが覆い被さるように俺の首に腕を回した。「エネルギーチャージ」そう囁き、ぎゅうっと抱きしめられる。いつもなら少しばかり抵抗を見せる俺も、今はただされるがままに身を任せていた。
窓から差し込む夕陽を背にこちらを見たレムレスの表情は逆光でよく見えなかったが、いつものようにヘラリと微笑んでいることがわかった。


「笑顔っ!ほら!」


自分の唇の端を人差し指でニィと押し上げたレムレスにつられ、俺もへたくそな笑顔を浮かべた。










なあ、明日も明後日も、笑っていような


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