夏も終わり、秋が足早にやって来た。あの暑さはどこへ行ったのか、急速に寒さが増した。衣更え期間中、いち早くカーディガンを身につけ始めたのがレムレスだった。周りにはまだカラフルなポロシャツを着ている奴が居るというのに、カーディガンにすっぽり収まっている。裾から見え隠れする指が可愛い。ちなみに、俺はまだワイシャツだった。さすがにカーディガンは暑すぎるからな。
周りにいろいろツッコまれながらも、断固として脱ごうとしない。レムレスは寒がりなのだろう。それも極度の。甘党で寒がりなんて女みたいな奴だ。毎日毎日お菓子を持っていて、腹が減ったと寄って行く奴も少なくはなかった。レムレスの笑顔を見ていると少し複雑だが、あれはお菓子を配っているからだと知っているため、こっそり溜め息を吐いた。


「シェゾもお菓子いる?」

「甘いものは……」

「カフェオレ味」

「いる」


カフェオレと聞いてから即座に返事をする俺を見て、レムレスはクスクス笑った。「カフェオレじゃない、カフェオーレだ」と言うと、軽くあしらわれた。くそうレムレスめ、扱いにも手慣れたものだ。チラッと見える細い指先が飴玉を取り出し、俺の口に放り込んだ。甘ったるいカフェオーレの味が広がる。でもこれで気休め程度にはなった。立ち上がり際にレムレスの頭をくしゃりと撫でると、奴はヘラリと笑った。
次は移動教室らしい。レムレスに腕を引っ張られ、教室に向かう。教室に着いてから筆記用具を忘れたことに気付いたが、無惨にもチャイムが鳴ってしまった。仕方なくレムレスに借り、その1時間を乗り切るのだった。




学校生活のほんの一部です

(へぐしっ……寒)

(カーディガン着ようよ)



―――
40000打フリリク企画!学パロシェレムとのリクエストでしたので、趣味炸裂させちゃいました……!しかも私の実体験でもあります。寒がりに秋はキツイものがありますよね……冬はもっとキツイですけどね!笑
企画に参加してくださってありがとうございました!



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