帝人+子臨(小学生低学年くらい)

















テーブルの前で足をブラブラさせながら宿題をしていたら、臨也がタタッとやって来て僕の膝の上に座った。にんまり笑う顔は無垢で無邪気で、さすが小学生だなあと思う。顔を寄せると、何が楽しいのかカラカラと笑ってほっぺたを引っ付けてきた。ぷにっとした感触がかわいらしい。そのままシャープペンシルをサラサラ動かしていたら、臨也も真似をして僕の筆箱の中からシャープペンシルを取り出し、ご丁寧にも問題の上に文字を書きなぐった。
あー、と言ったら臨也は悪戯っぽく笑った。机上に置いておいた消しゴムを探したが見つからない。何故だろうと首を傾げると、すでに臨也が持っていたらしくて生意気にも僕の顔の前で振った。


「お兄ちゃんに返しなさい」

「やーなこった!」

「こ、こら、怒るよ!」

「怖かないやいっ」


ヒョイと僕の膝から降りて、あっかんべーと向こうに走っていった。別に放っておいても良いのだが、消しゴムが無かったら宿題が進められない。はふりと息を吐き出して立ち上がると、臨也は興奮したように一段と高い声で笑って跳ね回り、テーブルを中心に鬼ごっこが始まった。意外とすばしっこくて、なかなか捕まらない。そんなに足遅いのかな、僕。
不意に消しゴムを落としたらしい臨也が屈んだ。対応しきれなかった僕は、そこに突っ込んだ勢いで転んでしまった。臨也が「痛ってえ」と叫び、僕も小さく「痛い」と呻く。ごめんと言う前に臨也が僕の背中にまたがり、小さな重みが上で跳ねた。くそう、僕は馬じゃないんだぞ。


「あーそーぼーうーよ」

「あ、遊ぶ、遊ぶから、ちょ……」

「おんぶ!おんぶして!」

「……はいよー、っと」


ぎゅうと首に巻き付く腕が苦しくて、立ち上がったときにさりげなく肩を掴ませた。ブーンと回ってやったら、やって来たのは臨也のはしゃいだ笑い声とぐるぐるしたアレ。目が回った。へにゃりと足が崩れる。臨也も目が回ったらしくて、その辺をフラフラうろうろしている。しばらくしたら、懲りずにまたおんぶ。ぼく宿題やりたいんだけどなあ。















(おんぶ攻撃!とうっ!)

案外威力が強かった……ちびっこのパワーを侮っちゃいけないな


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -