ユウレイ誕生日※過去提造












生前は性格が真逆だった双子。幽霊になった今、大人しくて無口だった彼女は弾けるような明るい笑顔を見せ、無邪気で底抜けによく笑った彼はあまり喋らず笑うことが少なくなった。もし以前から彼らのことを知っている人物が居たら、目を疑うだろう。しかし、昔からずっとずっと互いを知る者はこの双子しか居ないため、疑問を抱く者は今だに誰ひとりも出ていない。二人しか知らない秘密を抱えているみたいで、少しくすぐったくなる。彼女はいつものように、隣にいる彼に対して明るく笑いかけた。


「レイくん聞いて聞いて!今日って誕生日らしいよ!」

「だれの?」

「やだなー、あたし達のだよ!」

「おめでとうユウちゃん」

「おっめでとーレイくん!」


明るい口調で話し掛ける彼女に、彼は柔らかく微笑む。口元だけでも判断できる表情に、彼女は嬉しさのあまり抱き着いた。勢い余って押し倒された彼の口からは、小さく「わ」という言葉がこぼれた。しかし彼女は気にせず、コツンと互いの額を合わせて目をつむる。
ずっとずっと、これからもずーっと一緒に居られますように。優しい笑みを浮かべながら、彼女は呟いた。ペタリと頬を包む両手が薄く透ける。彼らが触れるものは、彼らしか居ない。そんな寂しさを吹き飛ばすように、彼女はただカラカラと笑った。彼も同じように両手を突き出し、泣きそうな笑顔を包む。寂しいわけではない、と言えば嘘になる。が、生まれたときも死んだときも一緒だった相手が隣に居る。それだけで、もう。















(ケーキも食べられないけど、君と居られたらそれでいいや)


「ずっと、一緒」

「言ったねレイくん。あたし死んでも忘れないから」

「もう死んでるけど」

「それ言っちゃだーめ!」





―――
こっそりフリー。と言っても過去提造しすぎかもしれませんが……。こんな彼らだったらいいな、なんて思ったりもします。とりあえず二人とも笑顔が似合うよ。




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