今日も今日とてすることが無く、ただひたすら6人でごろごろしていた。ヒマだ。
「ニートたちー!梨が剥けたわよー!」
「「「ひゃっほーぅ!」」」
我先にとドタバタ階段を下りたのが行けなかった。一番後ろにいたトド松が階段を踏み外し、他の五人も雪崩のように崩れ落ちたのだ。トド松はチョロ松に激突し、チョロ松は十四松、十四松は一松、一松はおそ松、おそ松はカラ松に激突しながら落ちていった。
▽
ここから名前視点です。
「で?」
「いやだから!話の流れ!」
「ああ、そっか。だから今この状況なのね?」
どうやら六つ子の話によると回想の出来事によって全員入れ替わってしまったと。そういう訳らしい。
「それで、結局誰が誰なの?」
正直話を聞いたところでどれが誰がさっぱり分からない。赤でバカでベース顔はおそ松、青でイタくて角度のある眉はカラ松…みたいな感じで判断してたし、色、顔、中身が別になるともう訳分からない。
「はいはーい!俺俺!おそ松!」
「フッ、カラ松さぁ!」
「チョロ松です。」
「いやちょっと待って。いきなり喋られても分かんないし!メモするからちょっと待って!」
面倒くさいよ!ナニコレお家帰りたい!
「はい、じゃあ長男おそ松。」
「俺俺!俺、おそ松でーす!」
青いパーカーでいつもより角度のない眉をしたカラ松の中身がおそ松。
「じゃあ、次男カラ松。」
「そうさ、カラ松さぁ〜!」
ピンクでニットという可愛い格好なのにカッコつけてるのがカラ松。
「はい、次三男チョロ松。」
「僕がチョロ松。」
黄色いダボダボパーカーに若干への字口のアンバランスがチョロ松。
「一松はどれ?」
「ここだけど。」
真っ赤なパーカーにダークな雰囲気をまとったのが一松。
「十四松は?」
「あいあい!僕十四松!」
紫のパーカーにボサボサの髪をしたぱっちり一重が十四松。
「最後トド松。」
「トド松は僕だよ。」
緑のパーカーにアホ毛ゼロで口が可愛くなっちゃってるのがトド松。うーん、これは面倒くさすぎる。あ、そうだ。
「じゃあみんなこうしてよ!それぞれ自分の色のパーカー着て!そうすれば誰が誰か分かるし!」
「なるほどな〜。じゃあ戻るまでそうすっか!んじゃ…」
「ちょっと待て!ここで着替えんの?!私まだいるんだけど!?」
私を全く気にせず脱ぎ始める六つ子にこっちがアタフタする。チラッと見えたカラ松と十四松の上半身がいい感じに鍛えられていて鼻血出そう。
「ねえ、なんでクソ松と十四松の方みて赤くなってんの?名前は僕のだよね?」
おそ松の顔と格好をした一松が近づいてくる。いつもと違って髪も整ってるし赤だしなんかドキッとした。
「ん?なんだ?俺の方を見てたのか?」
「えー、なになにー?!やきうー?!」
トド松の格好のカラ松と一松の格好の十四松がこちらを向いて問いかけてくる。野球は違うかな。あと多分一松の体じゃいつもみたいな超人野球はできないと思うよ。
「お前ら今トド松と一松だろうが!」
十四松の格好をしたチョロ松がツッコミを入れる。ていうかややこしいわ!!さっさと着替えんかい!
「私後ろ向いてるから着替えて!ほら一松もあっち行って着替えて!」
一松を六つ子ゾーンへ戻して後ろを向く。早く元に戻ってくれないかなぁ。ややこしいし面倒くさいし訳わかんないからさ。もう一回一斉に頭ぶつけたら戻ったりしないかな。
「あ、そっか!もう一回頭ぶつければいいんだよ!」
「「「えっ」」」
「いやだってご都合主義でしょ?絶対戻るって!」
うーんと一斉に悩み出す六つ子。そういうとこばっかり六つ子スキルを発揮してくるんだよね。なんでだよ。
「でもなぁ〜…もう少しこの姿でもよくね?」
「確かにな。俺もおそ松の意見に賛成だ。」
「まあ、この姿の生活も面白そうだしねえ!」
「僕はどーでもいい。」
「やきうしよ!やきう!」
「十四松、野球の話じゃないよ。まあ別に僕も今すぐ戻らなくてもいいよ。」
「あっそ。」
こういう時だけ一致団結かよ。あーそーですか。別にいいですけどね。てかよく誰が誰なのか分かるよね?私なんて未だにさっきのメモガン見だよ。
「よーし!じゃあ出かけようぜ〜!今日一日はお互いがお互いの振りするんだぞ!」
「「「いぇーい!!」」」
よく分かんない盛り上がりを見せた六つ子を横目に、ついていけないから勝手にしてくれと部屋を出る。正しくはでようとした。
「ちょっと待って。名前は今日一日僕と一緒だから。」
一松(cv櫻井)に引き止められた。何なんだよもう。こんなややこしいのに付き合うってか?やだよ!
「僕と名前は恋人。そうでしょ、名前?」
「はい…」
「じゃあ今日は僕とデート。」
「はい。」
流されました。外見も声もおそ松だけど、中身は一松だったよ普通にかっこいいよ。こういう一松もありだよばかやろー!
「惚れた弱みって怖いよね、ヒヒッ」
ーーー続く、かも…?
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