※肌色じゃないけどちょっと注意
※大人緑高




真ちゃんさ、俺ら出会った時のこと覚えてる?
桜いっぱい咲く、校門前でぶつかったんだよな。
あの日のラッキーアイテムはリボンでさ、頭にリボンつけてたよね。あれには思わず吹き出したわ。
んで、吹き出した俺を睨んだよな。あれは迫力あったなあ。


それで次会ったのはクラスだっけ。入学式終わって、クラスルーム終わって早速の席替えでたまたま前の俺が真ちゃんの前でさ。
挨拶しても睨みつけてさ。怖いったらなんの。
でもその時やっと名前知って、これがキセキの世代の、って驚いた。んで、笑った。
すっげえ、変な奴がキセキの世代なんだ、って。あともっとお高く纏まってると思ってたの。
今思えばこの時から真ちゃんのこと、気になってたんだよな。


それで、一緒に部活行くようになって、パートナー組むようになって、一日一緒に過ごして。沢山の真ちゃん見つけたぜ。
笑った顔も、焦った顔も、恥ずかしそうな顔も、悔しそうな顔も。
それが全部全部俺のに変わって。いつの間にか俺達の間柄は相棒ではなく、恋人になってたんだよな。


告白は俺から、そのずっと後の話になるけど同居を持ちかけてくれたのは真ちゃんで。もう、真ちゃんと出会って10年経つなんて驚きだよな。
人生の半分くらい真ちゃんに使おう、って決めて、同居して、一緒に生活して。
真ちゃんはお医者さんを目指して医学部行って、俺は普通に就職して。
時間が合わない分、一緒に過ごせる日は大切にしたよな。特に記念日とか。


今日はその10年目の記念日。俺と真ちゃんが出会った日、なんだぜ。
桜もいっぱい咲いてるし、あの日と変わらない今日を迎えたぜ。
だから、早く帰ってきてよ。


「真ちゃん、ねえ。」


真ちゃんが消えたあの日からも、もう2年経つんだって。
2年前の記念日の日。真ちゃん、早く帰ってこようとして車に轢かれて。
二度と帰ってこなくなった。


「ごめんね、真ちゃ、ごめ…!」


あの時冗談半分ででも急かさなければ、また明日ゆっくりお祝いしようとでも言ってあげれば。真ちゃんは今日もまた帰ってきてたかも知れないのに。
お医者さん目指してた真ちゃん。いつも俺を愛してくれた真ちゃん。
もう一度会いたい。会いたい。抱きしめてほしいよ、真ちゃん。


「真ちゃん…、好き…っ、大好き…!」


もう届かぬとわかっていても、俺は何回でも言うよ。
大好き、真ちゃん。ごめんね。
ありがとう。








季節外れですが、某曲聞いていれば自然にぶわりと出てきたので。
すみません。でも喪女高尾さんマジ可愛いです。すいません。




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