ふらり。休日することもなく立ち寄ったスポーツ専門店。 たまには新しいシューズも見たいなとシューズコーナーに向かう。最近新しい型が出たのだ。 一際目立つ場所にあったシューズは、やはり人気なのか一個しか残っていない。これは買うべきかと手を伸ばしたとき、誰かと手が被った。
「あ、」
「烏野の…」
手の重なった相手を見れば、いつか見たことある音駒のリベロの人だった。 名前は覚えていないが、一応会釈してみると律義に会釈し返された。この人は前からどこか親近感が湧いていた。 そういえば、と意識がシューズに戻れば俺はシューズから手を離した。
「俺、別にそのシューズ欲しかった訳じゃないんでどうぞ。」
「え、いいんスか?」
「見てただけなんで。」
見るからに嬉しそうなリベロの人はありがとうございます、なんて言いながら頭を下げた。 すると、すっと手が伸びてきた。不思議そうに見つめると、リベロの人は軽く笑みを浮かべた。
「俺、夜久衛輔っていいます。」
「あ、俺は菅原孝史です。」
「なんか前から菅原くんと気合いそうだなって思ってたんスよ。」
「…実は俺も。」
お互い見合えば、クスクス笑みを溢した。夜久、っていうのか。 もうシューズには用は無くなったため、じゃあ、と立ち去ろうとすれば腕を掴まれた。なんだと振り返れば夜久はニコニコと笑っていた。
「よかったらこの後暇っスか?」
この二人が可愛くてうわあああああ!!仲よくしてるといい、恋人もよし、お友達もよし!! 菅さんと夜久さんマジ天使っす。
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