ああ、くだらない


「たいちょー」
「眠ィから話かけんなー」
「寝ないでよー」
「遊び相手がほしいならマルコに頼めって」
「数分前全く同じ事をマルコ隊長に言われました!」
「…………はァ」


陽当たりの良い甲板で一人仰向けに寝転がっている隊長を見つけたのでとりあえず構って構って攻撃を仕掛けてみたところ、深ーい溜息を吐かれてしまった。

けれど、そんなことは微塵も気にせず隊長の隣にごろりと横になる。


「ねえ隊長、知ってる?」
「知らねェ」
「まだ何も言ってないじゃん!」
「ったくうるせーな!なんだよ!」


声を荒げながらも渋々と体の向きを変えてくれた結果、これがまた添い寝のような体制になったものだから思わず幸せの笑みが零れる。
すると見兼ねた隊長に「さっさと続きを話せ!」なんて頬を強く引っ張られてじわりと涙が滲んだ。いでで。


「そしたらとりあえずここ触って?」
「は?」
「はーやーくー」
「…いや、何企んでんだよ」
「何も企んでないよ!」


だからほら!と腕を差し出して急かすと、警戒しながらも恐る恐る手を伸ばす隊長。


「…大体なんで二の腕?」
「えへへ」
「前は触るなって嫌がってたクセしてどういう心境の変化だ?」
「それはねー、ナースのお姉さん方と話してる時にとある迷信を教えてもらったからなのです!」


ドーン!と胸を張りながら言えば「迷信って?」と二の腕をぷにぷにしながら尋ねられて。それに対してにこりと笑顔を返すと、意味がわからないと言わんばかりに鋭い視線で睨みつけられてしまった。


「まあまあ!種明かしは後でするとして、ずばりご感想は?」
「感想?」
「うん!二の腕を触った感想!」
「まあ、敢えて言うなら柔らけーな」
「わっ!柔らかいだなんて恥ずかしいー!」


きゃあああ!と両手で顔を覆い隠す。
するとまあ、隣で見ていた隊長が非常に冷やかな目を向けてきたのでへらりと笑顔を返してみた。


「隊長ってばエッチなんだから!」
「そうか、そんなにぶん殴れてェのか」
「だって柔らかいって…!むふふ、痛っ!」
「意味がわかんねェんだよ!さっさと種明かししろバカなまえ!」


添い寝の体制から一変、上半身を起こした隊長に上から見下ろされてその圧倒的な威圧感に慌てて首を縦に振る。だ、だって怖い…!


「や、えっと二の腕と胸が同じ触り心地だって迷信があるらしくて…!だから今まで隊長が触りまくっていたのは二の腕兼、わたしの胸なのであります!」
「げほっ!」
「柔らかいだなんて恥ずかしい!……ってあれ?どうしたの隊長?」


ピタリと静止してしまった隊長を不思議に思ってゆさゆさと肩を揺さぶってみると、徐々に赤く染まっていくイケメンフェイス。いや、顔だけじゃない。耳の淵まで真っ赤だ。

その様子を前に「えっ、大丈夫?」なんて無遠慮に顔を覗き込んだら、凄い力で頭を叩かれると同時にありえない勢いで床へとおでこを強打した。

うがああ、超絶痛いぃぃ…!


(あっ、そうだ…。もし良ければ迷信が本当か否か確かめてみ、痛い痛い痛い!ギブ!)
(お、お前バカだろ!マジでバカ!)
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こういう迷信ありますよね!
なんかくだらない微下ネタですみませんでした(;_;)

でも書いてて楽しかった^^
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