32.超能力刑事COLORS!(‘05.11. 6)

【会場】奈良教育大学 講堂
【スタッフ】現夢●内藤愛子 脚本・演出●小柳 亮 映像●川島賢太etc
【キャスト】一乗寺烈警視(ボス)・・・小柳 亮、荒井真琴刑事(アニィー)・・・田屋千春、千葉 恵刑事(チャオ)・・・清水香織、小山智子警部補・・・松井満梨江、芝木権蔵・・・川島賢太etc

【あらすじ】
警視庁捜査零課「SP−0」・・・
近年続発する超能力犯罪を撲滅するため、超能力を持つ刑事だけで構成された秘密機関である。
あらゆる超能力犯罪に対処する「SP−0」が今回挑むのは、10年前に起きた傷害事件。
時効成立3日前になって、犯人が超能力者と判明し、捜査権がSP−0に移ってしまったのである。
被害者はボスの捜査一課時代の恩師・芝木の孫娘・野明。
彼女は10年経った今もなお、意識不明のままである。
今回の事件、当時、超能力で窃盗を繰り返していたアニィーが、実は深く関わっているのだが・・・

【解説】
正式タイトルは「超能力刑事COLORS!〜君の名をほえる!時効成立0日前〜」
大学祭で上演する事が前提で企画され、また、団員の1人が「推理モノをやりたい」という希望を以前より持っていた事から、「犯人当てクイズ」を劇中で組み入れる事が早期から決まっていた。
そして、推理モノから刑事モノに路線はシフトし、刑事モノでいくならば、#21でやった「超能力刑事」をバージョンアップさせようということで、決定稿の形にまとまった。(#21と世界観が同一の続編となったため、一乗寺と荒井は#21と同じキャストが配役されている)


ちなみに「COLORS!」とは、その年の輝甍祭のテーマ。劇中には、前年の#26でデビューさせた、当時の文化会イメージキャラクター「シカ蔵」も登場させ、大学祭実行委員会と文化会の双方に媚を売る努力をしている。
(ただ、「COLORS!」というモチーフを得た事で、SP−0の4人の刑事がイメージカラーによってより個性化、「変身しない戦隊ヒーロー」的な雰囲気を出す効果ももたらした)

本作を語る上で欠かせないのは、史上初めて、劇中に映像を使用したという事。
この年のサークルオリエンテーション用に短編のCMを作り、上映したが、本公演で取り入れるのはこれが初めて。(これも、サーオリで流したCMを観て、映像が作れる人材が入ってきたおかげである)
OP、EDのみならず、スクリーン越しの通信場面や回想シーンなど、10カ所近くで映像を挿入。この多用とも言える映像演出が、全体を通して(良くも悪くも)映画的な印象を残すこととなり、続く#33は完全に長編映画の作品として取り組むことになる・・・

#21の際は「太陽にほえろ」「西部警察」「古畑」など、刑事ドラマテーマ曲のオンパレードだった劇中BGM。今回は、超能力刑事のヒーロー性を強める意味で、渡辺宙明作の「宇宙刑事シリーズ」の楽曲を中心に選曲している。例外としては、香川洋子刑事(ヒロシ)が、同名のお笑い芸人よろしく「ヒロシです・・・」とテレパシー通信を送るシーンで「ガラスの部屋」が、アニィーが特定の物体の時間を元に戻す「逆転チェスト」を使う際に「プレイバックPart2」がそれぞれ選曲された。

なお、「犯人当てクイズ」は、開演前に受付で、全観客に犯人と思う登場人物を一人選んでもらい、開演と同時に締め切って、正解者の中からさらに抽選、当選者の名前を「○○さんの証言によると・・・」といった具合に本番ぶっつけで台詞に組み込み、劇中で発表してしまうというスタイルだった。(賞品は上演終了後、ボスが劇中でも変装したサンタクロースの姿で当選者に手渡しした)

ちなみに、本作用の特設HPは、管理者が卒業する08年度までそのままになっており、4年間近く、キラキラ座の公式HPとして機能(?)していた。


【キャラクター・ピックアップ】

◎千葉 恵刑事(チャオ)
 京都府警からSP−0に配属された超能力刑事
 強力な透視能力を持ち、自分が入れたお茶に浮かんだ茶柱をコンパス代りにダウジングし、事件の手掛かりを探しだす。強力ゆえに、その透視は滅多に使えない。イメージカラーは緑。
 最近のキラキラ座の芝居では珍しい、関西弁のキャラクター。劇中でも、ムードメーカーとして、かなりの存在感を発揮した。


◎宇宙刑事フェスティバン
 放送中の特撮テレビシリーズ「宇宙刑事フェスティバン」の主役ヒーロー
 劇中冒頭、とある超能力犯罪者が「宇宙刑事フェスティバンショー」に怪人ゴキブリフマキラーの着ぐるみを着て乱入したため、ボスはフェスティバンに扮し、ショーの流れを壊すこと無く逮捕した。アニィー扮する女宇宙刑事キューティーアニィーのアシストを受け、レーザーブレードによる必殺技「フェスティバンダイナマイト!」を華麗に決めた。

 実は奈良県のローカルヒーローであるフェスティバン
 正式には宇宙刑事ではなく、輝甍戦士フェスティバンという。
 03年の子どもフェスティバルで初登場し、本作で満を持してキラ座公演に登場。
 その後、映像媒体の#32の裏と#33に登場している。
 最近は、大学祭中にも出現しなくなり、結婚式の余興などで活躍する日々だが、果たして、舞台での出番はあるのか?

【文責/OB:小柳 亮 】

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