夜になってもまだまだ蒸し暑い。
あちー。
そうつぶやいて、公園のベンチに腰掛ける。
「ここにいたのか」
え、
どうして?と言おうとしたが佐田くんの言葉に遮られる。
「そんな格好してるくせに知らない奴に襲われて、『変態です助けてください』なんて都合よすぎるぜ?」
確かに半袖ショーパン。
露出度は高い。
「 、」
「なんだよ」
「お風呂、あがりだから、」
「見りゃわかる。たいていの男はますます興奮すんじゃねえの?」
「ふふ。佐田くんは、しないの?」
「俺はそんなの興味ない」
「そっか。じゃあこのままいっしょにいてよ」
佐田くんは少し驚いた顔をしたけど、ふっと微笑み、
「いつまでもいてやる」
「なにそれプロポーズ?やったー」
「は?ちげえよ」
照れた顔でふいっと後ろを向く。
「名前」
「ん?」
「腹減った」
「うん。帰ろ」
わたしは佐田くんの左腕にぎゅっと抱きつく。
佐田くんは、嫌がりながらもそのままにしてくれてる。
「暑いね」
「名前がくっついてるからだろ」
「そうかな」
わたしたちは公園を後にした。