わたしはあいつが嫌いだ。
どうしたらこんな性格になれるのかわからないし、それを知りたいとも思わない。
だってくしゃみをすれば女っ気がねえなと言うし、お昼になればもっと可愛らしいの作れねぇのかよと言う。
確かにくしゃみは誰にも負けない自信があるしお弁当はタッパーにガッツリ肉を乗っける。
そりゃあ言われても仕方ないのかもしれないけど、いちいちいちいち好きな女の子にちょっかい出すように言わないでほしい。




ん?ちょっとまって






「ねえ佐田くん、」
「何だ?」
「あの、さ、ちょっと言いにくいんだけど、」
「はあ?」
「もしかしてわたしのこと、すき?」
「何をどうしてそうなる?お前とうとう頭イカれたか」



まあまあ、これは当たり前の返答なんだけど。
だってこれしか考えられない、そう言おうとしたらチャイムが鳴りお昼休みが終わる。



「佐田くんごめん、変なこと言った、かも」
「かも、って何だよ名字さっきから意味わかんねえ」



授業始まんぞ、そう言ってそっぽを向く彼の頬がほんのり赤いのはわたしがあまりにも恐ろしいプラス思考故、か。
それとも午後の陽射しがあまりにも強くて、彼が眩しく見えるからか、











わたしたちがお互いの気持ちに気づくのはまだまだ先の話。