私は江藤みのり、どこにでもいる普通の小学生だ


ただひとつ普通の人と違うとすれば…











それはオタクだと言うこと、そして…












…前世の記憶を持っているということ










前世の私は、さまざまなジャンルに手をだしていて、所謂男子が好きそうなものから、女子が好むようなもの、果ては腐に夢まで、私の趣味は多方面に渡っていた


生前に一番ハマっていたのは、黒子のバスケというアニメだ

この作品は青春もので、キャラクター同士の友情や、ぶつかり合いも、とってもドキドキはらはらして、あぁ、私もこんな青春したかったなぁなんて思っていた


特に私は秀徳のチャアリア宮(高尾、緑間、宮地)や、陽泉のエレガントヤンキー(氷室)と、キセキの世代のキャプテン(赤司)とセンター(紫原)が特に好きで、良く夢小説を読み漁っていた













生前死ぬ日の前も、いつものようにこの作品(通称:黒バス)の画像や夢小説を読み漁っては、きゃあきゃあ騒いでいた


『…はあ、黒バスの世界に行ってみたいなぁ、高尾とか宮地先輩、氷室さんに会ってみたい…』


すると、がんがんがんがんと少しずつ大きくなってくるいやな音がして



次の瞬間には












意識はなくなっていた




死因はわからない


気付いたら死んでいたらしい



親不孝なことだ


だから、次の親は大切にすると決めたのだ


それは、前世の親に親不孝してしまったからだけではない


私が小学生になって、前世の記憶を持ちつつ普通に遊んでいたら、ボールで遊んでいたときに、ボールが道路に出てしまい、それを録りに行ったら


前から向かってくる明らかに運転速度が速すぎる車


それを見た瞬間に、私が転生してからの記憶がわっと頭の中に蘇ってきた


それは一瞬のことで、私は同い年の男の子に助けられて、車と事故らずに済んだ


『…へ…』


ぽろぽろと出てくる涙


「みのりちゃん!無事で良かった…!」


今世での母親が涙を流しながら駆け寄ってくる

私が首を動かすと、横で擦り傷を作っている少年がいた


あの時の記憶は所々抜け落ちていて、特に少年の声や姿はほぼ覚えていなかった


彼は…一体誰だっただろうか…


彼にも両親にも、まだお礼を言いたりないのに…






ーそして、高校に上がる前


悲劇が起きたのだった…








物語のプロローグ

(私が秀徳に入るまでの道筋の一端)

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