宮地先輩と他愛もない話をしていると、時間はあっという間に過ぎた
「……あ、やべ。もう戻んねーといけねー時間だ」
家庭科室の時計を確認して宮地先輩がつぶやく
『あっという間でしたね……』
同じように時計を確認しならつぶやく
『なら、私も一緒に行きます』
今日の差し入れはまだだから、丁度いいだろうと思って冷蔵庫から寒天を取り出して大皿に盛る
「……いつも悪ぃな」
寒天の量を見て驚いたのか、宮地先輩が申し訳なさそうに告げる
『別に良いんですよ。私が好きでやってる事ですから』
私がそう笑いかけると、宮地先輩の肩から力が抜けた気がする
『…さて、行きましょうか』
とお皿を持ち上げようとすると、宮地先輩が私より先にお皿を持ち上げた
『え?宮地先輩……?』
「こんなの重いだろ。俺が持つ」
『え、いいんですか……?』
「良いから。黙って甘えとけ」
『……ありがとう、ございます』
なんだか申し訳ない気持ちと、嬉しい気持ちが混ざりあっていた
「……なーにんな顔してんだ。俺がやりたくてやっただけだから、気にすんな」
宮地先輩の言葉に、私は笑顔を見せたのだった
差し入れ
(ブレイクタイム)
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