………………


「…あぁ、そっか」

のそりと起き上がって周りを見てから納得がいく。
そうか、まだセブ帰ってきてないのか。


「…あさごはん、どうすんねーん」

あーなんかお腹空いてきたし。
恨むぞセブの左腕。
にしても左腕か…なーんかあったよな…

「なんだっけ」

眠いから頭働かぬ。
どっちにしても一般ピーポーだったからいい考えとかひらめきとかないんだけどね!
なぜ過去形かというと今は虎で幼女だからですパフパフー。


「…みず、のも」

枕元の水差しに手を伸ばす。
…イラッ。腕短いから届かないんだぜっ☆


「うーん…ひまだ。はやくかえってこーい」


ベッドにダイブして深呼吸をする。セブの匂いにホッとした自分を殴りたくなった。

変態かっつーの!


「…せーぶー、おなかすいたー」
「じゃあ今日はホットケーキだな」
「うぎゃあぁぁぁっ!」


耳元で聞こえた低い声に文字通り飛び上がって部屋の隅に避難する。

…な、なんだセブか。
私の寿命縮める気なのか動物には優しくしなきゃいけないんだぞ馬鹿ぁぁぁっ!


「ほぅ…ビックリしたら虎に戻るのだな」
「がぅ?(え?)」

手だったものを見ると見事に前足。マジか、気をつけなければ。


「ハナ、おいで」
「なぁに?」

人間に戻って、ベッドに座るセブの膝によじ登る。
虎の姿はやっぱりなれないから小さくても人間の姿が好きだ。


「はぁー…」
「お、お、お、」

少し苦しいよセブ!
私小さいんだから抱きしめる力の強さも考えてくれ!

…てか動かないんだが。
何?そんなに疲れたの?


「あぁ、疲れた」
「こころよまれた!」
「ハナの考えていることだけならわかる」
「なにそれこわい」

おっと本音が。

べ、別に睨まれたって怖くないよ!ちょっと眉間にシワよってても親バカなんて怖くないんだから!


「ふぅ……」

あ、また私の肩口に顔埋めた。
なんでそんなに疲れてんのかねぇ………まぁ、


「おつかれさま」
「ハナ……!」

頭撫でたらちょっと元気になったっぽい。…いや結構か。
たたきすぎてベッドのスプリング壊すなよー。

てかさ、それより、


「おなかすいたっ!」
「今すぐ作ろう」


普段と変わらないテンションに戻ったセブ。
ただ仕事しててあんなに疲れたところ見たことないし…一体何があったんだ。


微かな予感
体の毛が全て逆立つような…嫌な予感しかしない


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