「リナ今度の休みのホグズミード一緒に行かないかい?
あぁ大丈夫だよ!リリーにはちゃんと許しをもらってきたからね!」
「このペンダントリナ似合うと思って買ってきたんだ。
受け取れよ」
「馬鹿ですね兄さん、こっちのブレスレットのほうがリナ先輩に似合いますよ。
先輩、受け取ってください」
「リナ嬢、イタリアから取り寄せたジェラートがあるんだ。
一緒にティータイムといかないか?」


ソファーに座るだけでわらわらと集まってくる美形集団。
毎日寿命がかなりの勢いで縮まってる気がするんですけどこれは気のせいじゃないぞ絶対。

なんだ私はいつの間に美形集団を引き寄せる重力を発するようになったんだ。
そんな特殊能力いらないから魔法史の授業ずっと起きていられる能力をください。


「……よし百歩、いや千歩譲ってジェームズとシリウスはわかる。でもさ、おかしくない?レギュラスとルシウス先輩がここにいるのって、」
「おかしくありませんよ?」
「私はリナ嬢のためならジャパニーズフードでも取り寄せてみせるよ」
「ルシウス先輩なんか話違います」

なんでスリザリンの二人がグリフィンドールの談話室にいるんだろう。そしてなんでグリフィンドールの皆は何も突っ込まないんだろう。
え、何そのわかってるよって言いたげな視線。私は違うよなんか付きまとわれてるだけなんだ誰か助けて!

「…私は平穏な毎日を所望する」
「僕といるから余計に注目を浴びてるしねリナは!大丈夫だよ僕がもっと刺激的な毎日にしてあげる!」
「え、ジェームズ言葉通じてる?
私平穏な毎日って、」
「俺がモテるから辛いよな。大丈夫だ、俺はお前一筋だから!」
「なんか駄犬にいたってはモテるを否定できないからムカつくしいいよお前らもう黙れ」

そばにあった辞書を2冊ぶん投げる。見事二つとも角が頭にあたって犬と鹿がログアウト。

あ、犬は顔面に投げ付けたらよかったかもしれない。んで腫れて女子から嫌われたらいい。
…いやでもホグワーツの女子は大丈夫〜?とかいいながら交流を謀るに違いない絶対そうだ。


「リナ先輩見事なコントロールでした」
「ありがとレギュラス。
…んで君は私のカボチャジュースに何いれようとしてるのかな?」
「惚れ薬ですよ?スラグホーン先生から強奪…いや拝借しました」
「強奪って言ったよね!?言い換えてももう遅いからね!?」
「……………チッ」

舌打ちしやがったよこの子!
可愛くてピュアだった過去のレギュラスはどこに…いやあれは猫かぶりだったからな、でもそうならずっと猫かぶってて欲しかったな私!


「もうなんかこの頃談話室いても疲れる。とりあえず自分の寮帰ってよ二人共」
「じゃあこのカボチャジュース飲んでください先輩」
「惚れ薬入りのカボチャジュースなんぞ誰が飲むか。ほらルシウス先輩も、」
「リナ嬢の今日のパンツの色は?」
「…………は?」

今凄い爆弾発言された気がする。
なんで談話室の皆はこれに気づかず思い思いのことをしてるんだろう…いや聞き間違いかもしれないよね?
そうだ私の耳が一瞬おかしくなったのかもしれないいやきっとそうだ。

「…ごめんなさい、もう一回」
「パンツの色を、」
「もう嫌だなんでこんな奴らなんだよ紳士とか嘘だろとりあえず出てけ!」

談話室から蹴り出して太った婦人の肖像画を勢いよくしめる。
よしこれでしばらくは入ってこれないはずだ…多分。

あいつら女子寮にいても侵入してくるし全くどんな技使ってんだ……とにかく、

「早く逃げよう」

ここでダラダラしてたら確実にまた捕まる。
今度は壁に穴あけて寮に入ってくるんじゃなかろうかあのスリザリン組は。
…スリザリンなのにグリフィンドールの寮へ入ることへ情熱傾けるとかほんと頭大丈夫かな。

「まぁいいや時間が勿体ない」

自分の部屋に駆け込み箒をひっつかんで窓を開け放つ。
とりあえず外に逃げてどこかに身を潜めようそうしよう。

「リナ、いっきまーす!」

窓から勢いよく飛び出す。
某アニメの台詞を思い出したそこのあなた、あなたとはいいバタービールが飲めそうだ。
それか駄犬に頼んでお酒もってきて貰お…ダメだ一層うざくなる気がする。

「………ってぇ!?え、なにこれ!?」

思考も飛ばしているといきなり体が引っ張られ地面に引き寄せられたことで慌てて箒にしがみつく。

知ってる箒が万有引力の法則に反するかもしれないのは知ってるけど重力がいきなり強くなるのもどうかと思うよ私は!

マジで地面に激突する…!



「よっ…と。いらっしゃいリナ」
「…………マジかよジョニー」

思っていたより軽い衝撃。恐る恐る目をあけるとリーマスの笑顔が視界いっぱいにうつった。
その後ろに少し空が見えるから抱き抱えられてるんだろうな私。


「ジョニーって誰?返答によっては…」
「誰でもないです語呂がよかったから言ってみただけなんです!」

なぁんだ憂さ晴らしできると思ったのに、と呟くリーマスが怖い。
まぁいつものことだよね、それよりなんでリーマスがここにいるのかが問題だ。

「あぁ僕が引き寄せ呪文つかったからね」
「マジか…ってあれ、私声にだしてた?」
「ははは」

快活に笑おうったってそうはいかない。
また私の心読みやがったなばっきゃろう!

「リナがわかりやすいだけだよ」
「だから私の心と会話しないでくださいプライバシー権を主張する…!」
「え、リナにプライバシー権?あるわけないでしょ」
「人権ガン無視されたよジーザス!」
「…お前ら何やってるんだ」

左から素敵ボイスが聞こえて勢いよく顔をそちらに向ける……いや、向けようとした。


「いたたたた!リーマス痛い!首!首の筋痛めるって!」
「ごめんね、害虫の姿をリナに見せるのは可哀相だと思って」
「害虫!?1番まともなセブルスの素敵ボイスが聞こえたかんね私は!
さぁリーマスひざ枕もどきから私を解放してくれ!」
「……ほんとお前ら何やってるんだ」

いまだにひざ枕みたいな態勢のままリーマスのほうに頭を固定されてるからセブルスの姿が見えない。
優男だと思ってたのにそんな腕力どこで鍛えてきたのびくともしないんですけど。

「ん?いちゃついてるんだよ」
「違う、断じて違うからセブルス助けて!」
「いや僕には…」

まぁセブルスはそう言うと思ってたけどね!
いい加減首痛いから離してほしいんだな私は。

「リーマス、ほら今度ケーキ作ってあげるから離して!首痛い!」
「………約束ね」
「わかったわかった!」

リーマスの手から力が抜けると同時に起き上がってばきばきに固まった肩や首の筋肉をほぐす。

「…今ごきって鳴ったぞ」
「いやもうこの頃疲労が半端なくてさセブルス君よ。
癒して!」
「意味がわからん」
「僕のこと忘れてないよね?」
「もちろんですよリーマス様」

笑顔を振り撒いて魔王の降臨を食い止める。悪魔くらいは降臨した気がするけどしょうがない。
後ろで呆れたようなセブルスのため息が聞こえたけど許す。セブルスだから。

「それ理由じゃないよね」
「また心読まれたよセブルス助けて」
「だからなんで僕なんだ」

セブルスが1番常識人だからです、なんて言えずリーマスの隣に腰をおろしセブルスのローブをつかみ私の隣に誘導した。
無理矢理じゃないです合意のもとです。

「…私さ、この頃思うんだけど実はグリフィンドールとスリザリンって仲がいい、」
「「それはない」」
「…何?この頃人が話してるときにぶった切るのが流行ってんの?
私今日だけでどんだけぶった切られたか、」
「リナがありえないこと言うからだろ」
「またかよセブルス!これからセブたんって呼ぶぞ」
「やめろ」

反抗期なんだろうか。
やだなぁまったく。

……………あ


「そんな悪い子にはこうだっ!」
「んなっ…!?」


隣を向いてセブルスのほっぺに軽くキス。
いつも少し血色の悪いほっぺがほんのり赤く染まっていて少し優越感。自分の口の端が無意識にあがったのがわかった。

「おまっ……リナ!」
「へっへ〜そんな赤い顔で怒られたって怖くないんだよセブたん!」

ぎゃいぎゃい抗議されるけど知りませーん。セブルスが反抗期だから私も反抗期になるんです。
やったねお揃い!

「何がお揃いだ!」
「うわセブたんにも心読まれた!」
「リナさっき自分で叫んでただろうあとセブたんって呼ぶな!」


「リナ?…悪い子だね」



セブルスといちゃいちゃしてたら後ろから聞こえた冷たい声。
誰の声かなんて、見なくてもわかる。

「…んじゃセブルスよ、幸運を祈る」
「リナ!僕に何か怨みでもあるのかこの状況で見捨てるなんて!」
「まさか!愛情しかありませんよ!」
「…スネイプ、覚悟はできてるよね?」
「ルーピン今の見てたら僕が悪いんじゃないってわかってるだろう!?」

二人を尻目にさっき落としていた箒にまたがる。
重力を無視して浮き上がった箒に笑みをこぼすとそのまま空高く飛び上がった。


重力発生機
イケメンだけ引き寄せます




どうも紅華です!
リクいただいたの随分前なのに完成させるのが遅くなり申し訳ありません…!

ちゃんと逆ハーになっているでしょうか?一応セブルス落ち、ということにはいたしましたがリーマスには抱き抱えられたりと少し贔屓しております←

千智様リクありがとうございました!また、長くなり申し訳ありません。
また暇なときにでも遊びにきてくださいませ!

なお、この小説は千智様のみお持ち帰り可能です。



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