08
* * *
開け放たれた格子窓から雪がふわりと舞い降りる。
煙管を片手に窓辺に腰掛けながら、和葉は月を眺める。
「―――・・・俺は、何がしたいんだろうな」
それは、風に溶けて消えてしまいそうなくらい小さく呟かれた。
「例え、冷酷だと言われても・・・」
それでも立ち止まる訳にはいかない。
今、自分を突き動かしているのはこの意思のみ。
「―――成し遂げて見せる」
雪が、静かに舞い落ちる。
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