07



例え、それがどんなに酷い事でも。


彼は包み隠さず彼女に全て話すのだろう。


青風は目を閉じる。


「・・・そうか」


それでも、俺は自分を許す事はできないだろう。


自分で自分の誓いを破ったのだから。


程なくして、雪音が衣を手にして戻ってきた。


「ありがとう」


礼を言って衣を受け取ると青風はそれを勢い良く羽織って帯を結んだ。


「・・・行くのかい?」


「お前が行けと言ったんだろうが」


「そうだったね。でも・・・最後に決めるのは君だ。―――私は別の目的で動く事になりそうだからね」


青風は無言で霜惺を睨みつける。


「言うつもりはないよ。―――で?行くのかい?」


「―――ああ。そこに本当によねがいるならな」


フッと霜惺は笑った。


「頼んだよ。何があっても引き留めておいてくれ。―――そこで、何が起きていようとも」


一瞬、霜惺の瞳が陰りを帯びたのを青風は見逃さなかった。


そこで、一体何が起きていると言うんだ。






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