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桜木舞の縁談話は着々と、驚くような早さで進んでいった。


待つだけは嫌だったため、何もしていないわけではない。


それでも何もしていないに等しい。


驚く事に舞姫に言い渡されたのは数日間の部屋での待機だった。


何故かいろいろと吹っ切れた今の自分には退屈以外のなにものでもなかったのだが、母と父の安否が気になった。


妖のせいだというなら尚更心配だ。


「・・・姫様?」


「・・・え?あ、ああ・・・よね。どうしたの?」


舞姫御付の女房であるよねが不安げな顔をして部屋を覗きこんできた。


「覗き込むなんてはしたないわよ」


「覗きこんでたわけじゃ・・・。そうですわね・・・」


そう言って舞姫の向かいに正座する。


「・・・・・・本当に、姫様が承諾なさったのですね」


「・・・仕方ないわよ。でも、諦める気もしないのよね」


「・・・え?」


驚いて目を見開くよねに向かって舞姫は挑むような目で微笑む。


「心配しなくても大丈夫よ。後は・・・任せましょう」


「姫様・・・」


「ねえ、よね。私、やっぱりどうかしてたわ。ここ数日いろいろ考えてて思ったの」


思えば青風が都に帰ってきてからだろうか。

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