第五話 参

「そうあんまり自分を責めるなよ。お前も」

ポンと頭に手を置かれる。

なんだか懐かしいと思ってしまう。

ああ、自分はようやく帰ってきたんだなと思う。

「わかってます」

「・・・じゃあ、今夜から護衛は任せるよ」

「護衛は?」

「ああ、俺は他にやることがあるしな」

龍作はニヤリと笑った。

「―――あいつに手を出したら赦さない」

思わず背筋がゾクリとするする。

この目は本気だ。

「安心してください。手は出しませんから・・・」

青風は少し困ったように笑う。

それを見て龍作は一瞬、目を見開いた。

青風にはわからないほどであったけれど。

―――闇が濃くなった。

青風が抱える闇が以前よりも濃くなっている事に気付いた。

五年もの月日はやはり長かったようだ。

しかし、龍作はそのことには触れないでいようと思った。

「じゃあ、後は頼む」

「―――は。仰せのままに」






桜(はな)が散るように、時は過ぎ去る。

その限られた時の中で、人々は、何を思う。




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