第三話 四
それを見て、龍作も軽く微笑む。
「それと、これ」
「これは・・・」
龍作は懐から薄紅色の勾玉を取り出す。
「お守り。きっと役にたつ」
受け取った勾玉と龍作とを交互に見て舞姫は薄く笑う。
「ありがとう」
舞姫には笑っていてほしい。
早くまたみんなで騒げればいいのにと龍作は思うのだった。
―――全ては奴のせい。
* * *
闇の中で何かが嘲笑う。
「―――準備は整った」
そろそろこの人皮も使い物にならんか。
忌々し気に己の手を見つめる。
そしてフッと口端を吊り上げる。
「―――宴を始めようか」[ 12/36 ] [*戻る] [次へ#]
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(c) 2011 Kiri
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