03「君が悪いんだ、大人しくいうことをきかないから…」ヒソカ



アンケートお礼3

03:「君が悪いんだ、おとなしくいうことを聞かないから…!」 ヒソカ




HHは未公開のHPの後に飛んでいくお話の予定なので、いろいろネタバレになっています。






ヒソカの手の中には、私の杖が握られている。
治療魔法をヒソカ以外に使っていたことがバレたのだ。
私は地面に降ろされており、裸足であるために冷たいコンクリートの感触で体温が冷えていく。


「うーん、君に強制した約束は、確かに一つだったけどねぇ」


ヒソカと交わしたのかなんて約束は、”ヒソカから逃げない”の一つだったので、本当だったらこんな風に怒られるはずはないんだ。
たとえ、私の力でいろんな人にちょっとずつ援助していたとしてもだ!





だけども、今日は助けた相手が悪かった。





私の魔法が念能力でないとわかった途端に連れ去ろうとしたのだ、その男は。

新しくやってきたこの街は、なかなかどうして私の好奇心をくすぐった。
ヒソカが蜘蛛の団に顔を出すというから、ちょっとの間街をブラていていいという許可をもらったのだ。
ヒソカに買ってもらった箒に乗りながら、私は路地裏の探検していた。
猫と戯れたり、怪しげなお店の看板を見ながら一人で楽しんでいたら、血まみれの男を見つけてしまった。見つけてしまった以上は無視をするのも後味が悪いので、治療魔法で最低限の傷を治してあげようと思って治したんだけど。それが悪かった。



その男はヒソカに瞬殺されてしまったけども。


そして、ばれたのです。

「こうやって助けることで、ボクから逃げようとしたのかな?」

ヒソカの笑みが深まって、杖がミシリと音を立てる。
折られてしまっては困る。それは私の’お母さん’に買ってもらったのだから!
慌ててヒソカの手に縋り付く。

「違うのヒソカ!そうじゃない!!」

「うん、そうだろうね。でも、君が悪いよね?大人しくいうことを聞かないんだから」

私の弁解にあっさりヒソカは頷いたが、杖を握る手の力は緩まない。
このままでは杖が折れてしまう!!


「私、私ちゃんとヒソカに助けてっていったもの!!」

そう、私はあの男に手を握られて、抱え込まれ、肩に担がれる間ずっとヒソカの名前を呼んで助けを求めていたのだ。
ヒソカから逃げようなんて、思ってない。
逃げ切れるなんて思ってない!!

涙目で訴える私を、ヒソカは見下ろす。


「確かにそうだ。それは確かだね」

「そうでしょう?!だから、杖を返して!」

「じゃぁ、もう二度とボク以外に魔法を使わないって、約束できるかい?」

「できる!!」

杖が折られてしまうくらいなら、ヒソカ以外の命なんて捨てるよ!!
最低だとおもうなら、それで結構!


でも、私にとっての、お母さんの思い出だから、譲れない!!


ヒソカはますます笑みを深めて私を抱き上げた。
杖を返してくれ、私の足についてしまった汚れを払う。

「じゃあ、約束だ」





ヒソカのじんわりとした独占欲のお話でした。

























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