糸車 | ナノ




『フクロウのしっぽ』

 日が暮れて行くからきっと夜

 空に月がぽっかり浮かび

 ほんのわずか星が瞬きを見せる

 電車も車も帰り支度

 私は夜に泣くフクロウ

 どうして悲しいのか

 忘れてしまったけど

 ホーホロロホーロロ

 
 私の住める森はどこにもない

 ホーホロロホーロロ

 明日も明後日も

 きっと私は泣いている

 すくっと伸ばされた誰かの手

 捕まえたくても捕まらないよ

 だって私にはしっぽはない

 ホーホロロホーホロロロ

 それでもいつかないはずのしっぽは掴まれ

 ホーホロロホーロロロ

 夜が明けて行く
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