はなうた | ナノ


  







高速から見える灯りがついた窓
どんな人が住んでいるのかな
あの頃の僕らのように
下らない話に盛り上がったりして
どうしょうもないけど幸せで
そう言えば
得意だった君のモノマネ
もうすることもなくなって
ずいぶん経つな
ラジオから聞こえてくる
メロディーのせいかな
それとも年を取ったのかな
何をするのも楽しくって
終わりが来るなんて
思いもしなかった
あの窓には
まだあの日のままの二人がいて
泣いたり笑ったり怒ったり
続いていて
そんなこと思うなんて
ばかだな

高速を縁取るテールランプ
目を擦る君が綺麗って呟く
誕生日にはどこか遠くへ
行きたいって
もっとちゃんと君の話を
聞いておけば良かったな
電球もすぐ替えてさ
過ぎた日は取り戻せないから
あの日君が見せた涙もさよならも
ちゃんとちゃんと受け止めて

あの日なくしてはじめて知ったよ
歌が好きで食べるのが好きで
怒るとすぐに口を利かなくなるの
もっとちゃんと君の話を
聞いておけば良かったな
そうすれば今も
過ぎ去った時間が
あの窓にあるとしたらどんなに良いだろう
ちゃんと君が愛されていますように
ちゃんと思い通りに生きられていますように
二人でいた時間が
全部全部優しさに変わっていればいいな
僕にとって全部全部
消せない灯りだから
今でも
大切な一部なんだよ







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