四季 | ナノ







いよいよ



「会議まであと30分。どうされますか?」
「んー…。早めに行って待ってても『アイツどんだけ待ってたんだ』って思われるかもだし、遅く行って『アイツどんだけ威張ってんだ』と思われるかもだし……」
「さほど他の藩の藩主様たちは気にされませんと思いますけど」
「しかしだな、あたしは女だし、若いし、下に見られている。ここで何とか挽回せねば」
「でしたら会議五分前に会議室につけばいいのでは?」
「うーむ…それが一番なのだろうか」



白椿と漆原は鏡の前で相談している
第一印象でほとんどが決まると言っても過言ではないので初対面に力を入れるのは当然の事であろう

漆原の持ってきた着物に着替えた白椿は髪をとかしている



「さほど気にしなくてもいいと思われます。まともな藩主もおられますがかなり特徴的な藩主様がほとんどですので」
「ふむ……では10分前に行こう」





白椿の下した決断に漆原は頷き、手帳とにらめっこし始めた



藩主会議まであと少し





「情報を聞き出す方法はいろいろ考えている。案ずるな」



白椿の言葉に少しだけ楽になり安心した漆原であった










10分後、藩主同士の波乱が待ち受けている


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