変わらない思い出
こんにちは
私、幽霊です
いま人の家に上がり込んじゃってます
気になるものを見つけまして、机にあるお菓子なんです
この赤い箱、昔から変わってないんですね
子供のときは値段が高くて中々買えなかったんですよ
駄菓子を幾つか買った方がお財布に優しいと言いますか
とにかく、子供だってお金と相談してたんですよ
子ども会でもらったお菓子詰め合わせに入ってたときは、大事に食べていました
色んな種類がありましたよね、一番はミルクチョコです
これだけは譲れません
懐かしいな、一本だけ貰っても良いですよね
それじゃあ、いただきます
ダメですね
食べ物を目前にして、食べられないなんて悲しいですね
とても残念です
でも、知ってるんです
ちゃんと覚えてるんですよ
甘くて、とても美味しいんですよね
これどうしましょう、ここに置けば問題ないですよね
見つかる前に退散しましょう、そうしましょう
では、さようなら
【終】
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