季節違いのプレゼント
商品棚に並ぶポッキーを見ると、友人を思い出す。
高校時代、私の誕生日に苺ポッキーをくれる変わった子だ。
毎年、同じものをプレゼントしてくれる彼女に、尋ねたことがある。
赤い箱のポッキーではないのか、と。
「冬はいちごの季節でしょ」
自信満々の回答と満面の笑みに、私は何も言えなかった。
ピンク色の箱を手に取り、口元が綻ぶ。
初めに訂正していたら、この箱は赤くなっていたのだろうか。
「苺の季節は春なんだけどね」
苦笑して、カゴに放り込んだ。
【終】
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