土方さんルートの最後のつもりですが、何故か土方さんが死んでて風間さんが生きてます。 触れる。 いつくしむように、優しく。 笑う。いとしそうに、穏やかに。 触れる。壊すために、乱暴に。 笑う。嘲るように、凄絶に。 矛盾していて、両立したそれらを持ち合わせていた。 ただ、゛絶対゛として存在していた。 *************** 桜花。まさに桜吹雪というのに相応しい、すさまじい量の花弁が荒れ狂うように舞う。 桃色の渦の中心に佇む鬼は、金の髪を血塗れた白に、血をうつした紅玉を金に染めていた。 渦の真ん中にいるというのに、彼の身体には花弁一つまとわりつかない。 異国の服に身を包み、何かを見つめる彼が纏うのは、静寂。 深海よりもなお深く穏やかで、それでいて突き刺すかのような静かな闘気。 天霧は、吐き出そうとした言葉を飲み込む。否、もとより言うべき言葉など見つかっていなかった。 桜花と共に舞う、『それ』は―。 『貴方は、何故そこまで彼に執着するのですか』 数日前、投げかけた問いに風間は答えなかった。返ってきたのは、薄く、艶やかな笑み。 頭の中で、彼の声が鳴り響く。 馬鹿にする様な口調で、悲しそうな声音で紡がれる。 ―言って、貴様に理解できるのか? 視線によって、無音で送られたその言葉。 それだけで、全てを理解した。自分には、理解できるはずがない。止める術など、ないのだと。そう理解した。 そう、だから―。 (それならば、何故―) 此処まで、追いかけてきたのか。 舞い散る『それ』。 風間が、己の全てをかけて戦うことを望んだ『もの』であったはずの。 「風間」 搾り出した声は小さく。届くかどうかも定かではなかったが、風間は一瞬の間を置いて振り向いた。 驚いたように見開かれた瞳。その色を見て、天霧は微笑む。 ―終わったのだと。 解り、そして。ただ、静かに微笑む。 風間も同様に微笑んだ。満足気な、少しだけ物足りないような。そんな、複雑さをうつして。 風が、天霧の頬をかすめる。 何かが地面に落ちる音がした。 ―何故、此処まで追いかけてきたのか。 (理由など、) あるはずがない。 風間が、終わるならば。天霧もまた終わるのだ。 「貴方のことなど、わかりませんよ」 (それでも) 「私はただ―」 刀を手に取る。僅かに嘆息してから、首元にそれを当てる。 「貴方は怒るかもしれませんね」 小さく笑って、目を瞑る。 赤が飛び散る。 理解できなくても、理由なんてなくてもいい。ただ、傍にいたかった。 そのためなら、意味なんて必要じゃなかった。 そんな話。 同じようなの書いたことある気がする。 えっと、解りにくいので状況だけ説明しときます。 天霧さんは、風間さんに土方さんと戦って欲しくなかったから説得した→でも結局できなかった→戦う→土方さん死ぬ→天霧さんは風間さんが心配だったから追いかけてきました→風間さんも瀕死でした。 っていう、流れのはず。あれ・・・余計わかりにくい。 土方さんるーとの最後好きすぎてすみません。なんというか、あそこは土風と天風で妄想すると無限大だと思うんです。 いたたまれなくなったら消します。 |