土方さんルートの最後のつもりですが、何故か土方さんが死んでて風間さんが生きてます。














触れる。
いつくしむように、優しく。
笑う。いとしそうに、穏やかに。

触れる。壊すために、乱暴に。
笑う。嘲るように、凄絶に。



矛盾していて、両立したそれらを持ち合わせていた。
ただ、゛絶対゛として存在していた。




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桜花。まさに桜吹雪というのに相応しい、すさまじい量の花弁が荒れ狂うように舞う。
桃色の渦の中心に佇む鬼は、金の髪を血塗れた白に、血をうつした紅玉を金に染めていた。
渦の真ん中にいるというのに、彼の身体には花弁一つまとわりつかない。
異国の服に身を包み、何かを見つめる彼が纏うのは、静寂。
深海よりもなお深く穏やかで、それでいて突き刺すかのような静かな闘気。
天霧は、吐き出そうとした言葉を飲み込む。否、もとより言うべき言葉など見つかっていなかった。

桜花と共に舞う、『それ』は―。






『貴方は、何故そこまで彼に執着するのですか』

数日前、投げかけた問いに風間は答えなかった。返ってきたのは、薄く、艶やかな笑み。
頭の中で、彼の声が鳴り響く。
馬鹿にする様な口調で、悲しそうな声音で紡がれる。

―言って、貴様に理解できるのか?

視線によって、無音で送られたその言葉。
それだけで、全てを理解した。自分には、理解できるはずがない。止める術など、ないのだと。そう理解した。

そう、だから―。

(それならば、何故―)

此処まで、追いかけてきたのか。






舞い散る『それ』。
風間が、己の全てをかけて戦うことを望んだ『もの』であったはずの。

「風間」

搾り出した声は小さく。届くかどうかも定かではなかったが、風間は一瞬の間を置いて振り向いた。
驚いたように見開かれた瞳。その色を見て、天霧は微笑む。

―終わったのだと。

解り、そして。ただ、静かに微笑む。
風間も同様に微笑んだ。満足気な、少しだけ物足りないような。そんな、複雑さをうつして。

風が、天霧の頬をかすめる。
何かが地面に落ちる音がした。

―何故、此処まで追いかけてきたのか。

(理由など、)

あるはずがない。
風間が、終わるならば。天霧もまた終わるのだ。

「貴方のことなど、わかりませんよ」

(それでも)

「私はただ―」

刀を手に取る。僅かに嘆息してから、首元にそれを当てる。
「貴方は怒るかもしれませんね」
小さく笑って、目を瞑る。



赤が飛び散る。










理解できなくても、理由なんてなくてもいい。ただ、傍にいたかった。
そのためなら、意味なんて必要じゃなかった。
そんな話。

同じようなの書いたことある気がする。

えっと、解りにくいので状況だけ説明しときます。
天霧さんは、風間さんに土方さんと戦って欲しくなかったから説得した→でも結局できなかった→戦う→土方さん死ぬ→天霧さんは風間さんが心配だったから追いかけてきました→風間さんも瀕死でした。
っていう、流れのはず。あれ・・・余計わかりにくい。

土方さんるーとの最後好きすぎてすみません。なんというか、あそこは土風と天風で妄想すると無限大だと思うんです。

いたたまれなくなったら消します。