「知ってる?だいたい15光年なんだってさ」




光年とセンチメートル




唐突な言葉だが、なんのことかはすぐにわかった。風間は振り向いて答える。

「知っているが」

言ってからすぐに視線をそらす。すると後ろから手が伸びてきて、風間の身体に絡みつく。
あつい、と視線だけでうったえるが、彼はそれを受け流すように言う。

「ねえ千景」

「・・・・なんだ」

答えると彼はなにも言わずにへらへらと笑った。
なにがおかしい、そう聞くと、楽しそうに呟く。

「君と一緒にいれることが嬉しいんだ」

だからね、と。

「短冊になにかかくとしたらさ、゛君とずっと一緒にいられますように゛かな」

苦笑してから、風間は沖田の髪を撫でて、笑う。

「そんなことで、いいのか」

「うん」

「なら、別に星に願う必要などあるまい」

織姫と彦星の距離は約15光年。
けれど君は、



「俺が叶えてやろう」


こんなにも近くにいるのだから。










七夕小説。
とりあえずなんかしようと思ってとにかく急いで書きました。
タイトルは気に入ってます。