死ぬときは殺せ。 彼はことあるごとに言う。 それは何気ない会話の時だったり、睦言のついでだったり。 そのたびに土方は言う。ああ、殺してやるよ、と。 そうすると彼は満足そうに笑った。 *************** 土方の最愛の思い人は、ヒトとは少々変わった生き物だ。 例えば、治癒力や腕力。他にも様々なものが違う。 けれど種族が違っても、風間が土方にとって大切な存在であることには変わりが無いので、土方は特に気にしていない。 それでも、一つだけ気にかかっていることがあった。 寿命だ。 人間の命はただでさえ短く、その上土方は羅刹となった身である。 鬼の寿命とは比べ物にならないほど短い。 だから、土方は風間を置いていくことになる。 いつだったか、それを風間に言ったことがある。 軽い調子で、「お前らは寿命が長くていいな」と。 風間は少しだけ眉を顰めて、馬鹿にしたように笑って、それからぽつりぽつりと語り始めた。 今の鬼の寿命は、人間とそう変わらない。 だんだんと、直系の血が薄れてきていることが原因だそうだ。 それを聞いて安心したのもつかの間、風間はさらりと衝撃的なことを呟いた。 「俺はもう二百年ほどは生きているが」 だから、貴様が死ぬときは俺も殺せと。 *************** 桜の舞う道を歩きながら、隣を歩く風間に言う。 「・・・もう二百歳こえてるっつうなら、てめぇが先に死ぬ可能性もあるんじゃねぇか」 「・・・・・・」 風間は土方を一瞥した後、何も答えずに上を見上げた。 土方もつられて上を見る。 薄桃色の花弁が、風にそよぐ。 思い出すな。 どちらともつかず呟いた。 あの戦いの後、二人は身を隠して生活するようになったのだ。 今のところは穏やかな日々が続いている。だから、どっちがさきに死ぬ、などと話してはいるが、殺される可能性など想定していない。 あの頃を考えると、ありえないくらいに平和だ。 「・・・そのときは、そのときだ」 ふいに風間が呟くように言った。 一瞬なんのことだったかと思ったが、すぐに思い出して言う。 「適当だな」 風間の髪についた花弁をとってやりながら笑う。 彼も、上を見上げたまま笑っていた。 *************** 死ぬときは殺せ。 彼はことあるごとに言う。 それは何気ない会話の時だったり、睦言のついでだったり。 そのたびに土方は言う。ああ、殺してやるよ、と。 そうすると彼は満足そうに笑った。 こんな歪で優しい幸せを、壊す気など毛頭ない それが他人からみたら異常でも、本人達が幸せならそれは幸せで、それを否定しても無駄ですよねって話。多分。 最初なに書きたかったのか忘れてすごく短くなったorz うん。 ところで土方さんのキャラとか口調とかわかりません。 なんか土風ってケンカップルのイメージがあるんですが、土方さんルートの最期の、戦うとこ終わったあとはバカップルになると思います。 そんな妄想です。 すみません自分でも何言ってるかわかりません。 あ、寿命どうこういうのは、なんかえっと、設定集?みたいなのに書いてあったような。間違ってたらすみません。 今の鬼はもう人間とほとんど変わんないんだよ〜みたいなことが書いてあったので、「風間さんだけ長かったら萌えるな」って思っただけです。 あとがき長くてすみません。終わります。 |