埋葬


生き物の墓。
実験の後始末。
よく作るのは機械だけど
構造を知るために時には生き物もバラす。
くゆる紫煙。
今日は一緒に埋葬しようか。
ちょうどいいところに居合わせたから。

土のついた指で用意されるコーヒー。
気にしないんですか。
誰より手先が器用なくせに無頓着だ。
ああ、ごめんねお客さんに。
先生と生徒というより大人と大人みたいな、いつもよりかしこまった接し方。

こういう時研究者はビーカーに入ったコーヒーとかを勧めるよね、たまに見る。
意外です。
俺だって映画やテレビは見るさ。小説も。
料理は?
…しないことはない。
流しを見やる。
…今日が偶然片付いてないだけ。

そろそろ暗くなる。
不気味な色の街灯は先生が手動で点けていたようだ。
明日の宿題、忘れないように。
急に先生らしくなるその態度がずるい。
あの、
また今度は、お墓参りに来てもいいですか。
ここは教会じゃないからね。

たまにおいで。





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