ブリッサに渡した歌

その名はレム


シュティがたいちょーのところに遊びに来て、それで、ええっとそう作戦!作戦をいっぱいたててたの!素敵素敵!だからきっと大丈夫だよ!

少女は一人かりかりと、小さくファンシーなノートにそう書き終えればベッドへとダイブぎしり、スプリングが撓る音がする。ごろごろごろごろ、タオルケットを抱えみょうちきりんな色合いの髪を広げベッドを転がる、ごつん、と痛そうな音がした。

「あう、いたい!」

子供っぽい叫び声と共に額を抑える、狭いベッドの上で転がれば床に落ちるか壁にぶち当たるかのどちらかである事位考え付かぬのかと彼女に問えばわかんない!という明るい声が返ってきそうだいや返ってくる。愛作・P・三知(ただし真ん中のPは“友人”から貰ったものであると言う)という少女はそう言う人間、否人間というのは少々語弊があるかもしれぬそう言う生き物である。明日は重要な作戦が控えているというのに遠足をあすに控えた小学生の様に彼女の心はわくわくとドキドキとちょっぴりのスリリングを求める気持ちでいっぱいであるらしい。数分額を擦っているもふ、とその小宇宙を時計へ向ければもう日付が変わってしまう直前といったところだった。もう寝なきゃ!なんて驚いた様な声を上げ少女は再びタオルケットに潜り込む、数秒もふもふと柔らかいタオルケットの感触を楽しんでいるもあっという間に夢の中、少女の夢の中でもまんまるい月は部屋を照らしていた。

あくる日先日やってきた黒服の軍人が彼女を迎えに来てくれた。いつも一緒の桃色乙女はそこにおらずどこへやったかと問えばバイト先に預けてきたと言うからふうん、と少女は声を上げ共に向かうは“たいちょーのところ”改め剛犬組本家。いつも通り下駄を鳴らしてからんころん、かたんぐしゃり、何か踏んだがまあいいやとルンルン調子。目の前に現れた純和風日本家屋の戸をくぐれば大声でおはよー!なんて大声を出し靴を放り投げいつものあの部屋へ一直線。後ろの軍人娘はと言えばやれやれ、とばかりに肩をすくめて靴を脱ぐ。
その後奥から“きえきえ”こと杜松野喜恵がやってきておはよう、だなんて声をかけてくれる、実に平穏この後突入作戦決行だなんて思えない。

「おはよう三知……とシュティさんも。」

赤が瞬く、暫しその場での談笑の後いつも通りの居間へと向かう、背の低い机を囲んでたいちょーにふくたいちょー、いったん、みーちゃん、それぞれと目を合わせる、頷く、完璧。

「それじゃー、みなさまいってみよー!」

場違いな明るい声が響く、皆各々に立ち上がり頷き同意の言葉を述べたりしつつ必要なものを持てば表に止めてあったキューベルワーゲンに乗りこむ、何でこんな所にあるのかというのを問えば黒服軍人がトメニアの科学力であれば天照へこういう物を運ぶくらい一日足らずで可能であると返すであろうつまりはそう言う事だ。
るんるんと楽しそうに笑う少女青年男性ぐるり、とりか囲んでそれではみなさまさようなら!

Title by トリステーザ、死す
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